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1998 年度 実績報告書

マイクロカプセル化技術によるフッ素徐放性とその制御機能のレジン材料への導入

研究課題

研究課題/領域番号 09470424
研究機関岡山大学

研究代表者

鳥井 康弘  岡山大学, 歯学部, 助教授 (10188831)

研究分担者 糸田 俊之  岡山大学, 歯学部, 助手 (60294419)
鈴木 一臣  岡山大学, 歯学部, 教授 (30050058)
キーワードマイクロカプセル / フッ素徐放性 / 徐放制御 / コンポジットレジン / シランカップリング剤
研究概要

前年度は、CaFをMMA及びTEGDMAでコートすることでマイクロカプセル化できることがわかったが、これをレジンに混入しフッ素徐放量を測定するとCaFは低溶解性で徐放量が少なく、臨床応用に際し重要な窩壁歯質の耐酸性向上効果が弱いことが危惧された。そこで本年度は、さらに高いフッ素徐放性が得られるマイクロカプセル作製法を検討した。臨床応用されフッ素徐放性の良好なNaFと、予備実験で高い徐放性が確認されたNa_2SiF_6とTiK_2F_6をフッ化物として選択し、コート剤としては前年度研究でMMA及びTEGDMAでは薄膜化が困難であったので、歯科用コンポジットレジンのフィラー表面処理に応用されるシランカップリング剤に注目した。γ-MPTSを99.5%エタノール溶液に5wt%添加し、等量のフッ化物と混和してエタノール揮発後130℃で24時間加熱処理した。TEGDMAとBis-GMAを等量含むモノマーにシラン処理フッ化物を50wt%配合したレジンを試作し、フッ素途放量を10週間にわたり測定した。その結果、無処理NaF配合レジンはフッ素徐放性は初期には高いが短期間で急激に低下したのに対し、シラン処理NaF配合レジンは徐放量は減少するが急激な徐放低下はなく、持続的徐放性を示した。また、シラン処理Na_2SiF_6とTiK_2F_6配合レジンからの徐放量は大幅に低下したが、長期持続的徐放が期待できる様相を示した。一方、シラン処理フッ化物の配合でレジンの機械的強さも向上した。さらに本レジンにより窩壁歯質の強化も生じることを人工二次う蝕作製実験で確認した。以上より、シラン処理によりフッ化物の溶解性を抑制し、フッ素の長期持続的徐放性が得られることが示された。また、シランカップリング剤濃度によってフッ化物の溶解性の抑制効果を調整でき、抑制方向のみではあるがフッ素の徐放制御が可能である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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