研究課題/領域番号 |
09470431
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊池 雅彦 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60195211)
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研究分担者 |
渡辺 誠 東北大学, 歯学部, 教授 (80091768)
服部 佳功 東北大学, 歯学部, 助手 (40238035)
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (00125501)
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キーワード | 咀嚼障害 / 高齢者 / 義歯 / ポジトロンCT / PET / 脳機能 / 咀嚼筋活動 / 舌筋活動 |
研究概要 |
今年度は、ガム咀嚼を行わせたときの脳のPET画像から、咀嚼による脳活動を定量化し統計学的分析を行った。また義歯の評価については、ストレインゲージ型トランスデューサの臨床応用を行った。 脳活動の定量化と統計学的分析:脳を含む全てのスライスを抽出し三次元的に変換することにより、各被検者の脳を標準脳に変換した。被検者間での全脳糖代謝量の個体差は共分散分析(Analysis of Convariance;ANCOVA)にて補正した後、局所脳糖代謝が増加した領域を明らかにするために、各群と対照群とのそれぞれについて、各voxel毎の分散分析(Analysis of Variance;ANOVA)を行い、その結果から各voxel毎のt検定を行った。さらにt分布を近似的に正規分布させるため、Fisher-Z変換を行った。この結果に対して、多重比較無補正の危険率が0.1%以下(Z≧3.15)のものを活動を示した領域とした。活動を示した領域は、Talairach座標をもとに各領域を固定した。この結果、局所脳糖代謝は咀嚼様式の違いにより統計学的に有意な差があることが明らかとなり、義歯使用の有無によって脳活動が異なることが示唆された。 義歯維持力測定:前年度に開発したストレインゲージ型トランスデューサを用いて実験用口蓋床の維持力測定を行い、データの再現性、測定時の安全性などについて検討した。10名の被験者で30回ずつ測定された維持力は、平均値のレンジが0.17N〜1.00N、標準偏差のレンジは0.16〜0.61であった。被験者により維持力は広い範囲に分布したが、再現性は概ね良好であった。また口蓋床が口蓋粘膜から離脱する際に注意を要する必要が認められた。臨床的には、数名の下顎全部床義歯装着者において義歯の維持力を測定して義歯の評価を行った。
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