研究課題/領域番号 |
09470441
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
岸 正孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085804)
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研究分担者 |
塚田 威 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (20276976)
関根 秀志 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20246359)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 咀嚼運動 / 側方偏心下顎位 / オーバーレイデンチャー / 運動経路の順応 |
研究概要 |
対合歯による嵌合を失った症例の中には、下顎位が不安定で咬合採得に困難を来すものの頻度が高い。これは、下顎位が、顎関節の緊縛度、周囲筋群の力の均衡および重力の作用方向等によって決定されるものと考えられる。ここで、下顎位が不安定な患者では、咬合採得時に偶然的に不適切な下顎位が設定される危険性があるので、義歯の試適時あるいは義歯の装着時に、下顎位の適切さの診断が行なわれる。しかしながら、新義歯を装着すると、その義歯の嵌合位すなわち新規設定嵌合位への順応が起こるために、下顎位の適切さの診断のためには、新規設定嵌合位への順応状態を把握し、その所見を基に、下顎位の診断法を確立する必要がある。 本研究では、下顎位の診断法を確立するために必要となる4つの事柄すなわち1)側方偏心設定嵌合位に対する咀嚼運動の順応状態について、2)局部義歯の機能的適合性に関する研究、3)局部義歯設計の差異が咀嚼運動に及ぼす影響について、4)局部義歯の装着が咀嚼運動に及ぼす影響について、調査を行なった。 その結果、適切な下顎位において好ましい嵌合を設定した局部義歯においては、咀嚼運動には、義歯側と健全側とに有意差が認められないこと。義歯設計条件を変化させても、咀嚼運動に有意な変化が現われないこと。さらに、多数歯欠如症例では、1.0mm程度の偏心下顎位に対して咀嚼運動が順応しうること。等が明らかとなった。 以上の結果から、咀嚼運動は、適切な下顎位にあるならば、新規に設定された嵌合位に、比較的早い時期に順応することが認められたが、下顎位の不安定な患者が、新規に設定された嵌合位に、どのように順応するかについては、さらなる検討を要する。
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