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1999 年度 実績報告書

ヒト顎関節円板・滑膜病変の分子病態学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 09470448
研究機関山形大学

研究代表者

柴田 孝典  山形大学, 医学部, 助教授 (60147220)

キーワードヒト顎関節 / 顎関節円板 / 滑膜病変 / 分子病態学 / 滑膜培養 / 軟骨細胞培養 / コンドロカルシン / サイトカイン
研究概要

本年度は、サイトカインのうちIL-1βおよびTNF-αについて以下の点を明らかにした.
1.目的:顎関節滑液中のIL-1βないしTNF-α濃度と画像診断(MRI)および臨床所見(VAS,最大開口距離)との関連性を評価する.
2.方法:(1)対象:原液採取し滑液の判定基準(HAとC6Sの同定)を満たした56検体(56関節)。被検者48名(女性)の年齢構成(歳)は15〜70,中央値28,平均34.2であった.いずれの顎関節もMRIにて円板前方転位を認め,復位群(21関節),非復位群(20関節),さらに退行性変形群(15関節)とに分類された.なお,3群間の年齢,開口距離に有意差を認めた.(2)IL-1β濃度の測定にはBio Source Europe S.A.社製MEDGENIX IL-1βEASIA^<TM>kit(測定限界は2pg/ml)を,TNF-α濃度の測定には同社製MEDGENIX TNF-αEASIA^<TM>kit(測定限界:3pg/ml)を用いた.(3)統計解析にはSAS Ver6.0を用い,P<0.05を有意水準とした.
3.結果:(1)IL-1β:47検体(83.9%)で同定され,3群間の同定率に有意差が見られた.同定された検体中のIL-1β濃度(pg/ml)は最大8825.9,最小43.5,中央値768.2,平均1837.2,標準偏差2357.9であった.3群間におけるIL-1β濃度に有意差およびVAS値との相関も認められた.(2)TNF-α:14検体(30.3%)で同定されたが,同定率に3群間で差は見られなかった.一方,濃度の最大1771.6,最小44.7,中央値338.9,平均581.61,標準偏差589.7であった.同定された14検体におけるTNF-α濃度で3群間に有意差がみられた.
4.結論:原液採取した顎関節滑液中のIL-1β濃度は疼痛との関連性が示唆されたが,病態マーカーとしての特異性に乏しい.TNF-α濃度の病態マーカーとしての特異性は認めなかった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Shibata, K.Murakami, E.Kubota, I.Yamamori and N.Yoshizawa: "Keratan Sulfate Concentration in synovial Fluid of TMJ Disc Disorders"J. Dent. Res. 79. 426 (2000)

  • [文献書誌] I.Yamamori, T.Shibata and N.Yoshizawa: "Right-left Difference in Concentrations of Molecules in TMJ Synovial Fluid"J. Dent. Res. 79. 426 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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