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2000 年度 実績報告書

ヒト顎関節円板・滑膜病変の分子病態学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 09470448
研究機関山形大学

研究代表者

柴田 考典  山形大学, 医学部, 助教授 (60147220)

キーワードヒト顎関節 / 顎関節円板 / 滑膜病変 / 分子病態学 / 滑膜培養 / 軟骨細胞培養 / コンドロカルシン / サイトカイン
研究概要

IL-6は,IL-1によりその合成が強力に誘導され,急性期蛋白の発現破骨細胞の増殖と分化の促進による骨吸収の誘導などを行うため、変形性関節症(OA)や,滑膜炎などの病態との関連性が示唆されている.そこで,顎関節OA患者における関節洗浄回収液中のIL-6濃度を測定し,臨床像などと比較検討した.
作業仮説:関節病態により関節洗浄回収液中のIL-6の同定率および濃度に差がある.
方法:対象は全て復位を伴わない関節円板転位をきたしたOA患者13名(16〜57歳,平均36歳)で,上関節腔の洗浄療法施行時に経時的に洗浄回収液を10mlづつ,20本の試験管に採取した.採取液の処理は,まず遠心分離し,回収された上清を遠心式凍結乾燥濃縮システムを用いて約5倍に濃縮し,分析検体として測定まで-85℃で保存した.IL-6の測定には,(株)富士レビオ製ヒトIL-6ELISAキットを用いた.
結果:全263検体中IL-6は115検体(約43.7%)で同定された.また,75%以上の同定率を示した症例が4例,全く同定されなかった症例が2例と,症例による同定率のばらつきが大きいこと,さらに経時的な推移では同定率が徐々に低下する傾向が示唆されることが判明した.
考察:演者らの既報より,同一検体におけるIL-1βの同定率がほぼ100%であることと比較すると,IL-6の同定率の差は何らかの病態を反映しているものと推測できる.
結論:顎関節OA患者における関節洗浄回収液中のIL-6は病態との関連性を示唆する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Shibata, et al: "Detection of Interleukin 1-βin TMJ Synovial Fluid"J.Dental.Research. 79(5). 1235 (2000)

  • [文献書誌] I.Yamamori,T.Shibata: "Datection of Tumor Necrosis Factor-α in TMJ Synovial fluid "J.Dental Research. 79・5. 1235 (2000)

  • [文献書誌] T.Shibata,M.Nagumo: "Biochemical Approach to Synovial Fluid associated with Temporomandibular Joint Disorders"J.Dental Research. 79・5. 1254 (2000)

  • [文献書誌] T.Shibata et al: "Keratan Sulfate Concentration in Synovial fluid of TMJ Disc Disorders"J.Dental Research. 79. 426 (2000)

  • [文献書誌] I.Yamamori,T.Shibata: "Right-left Difference in Concentration of Molecules in TMJ Synovial fluids"J.Dental Research. 79. 426 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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