研究課題/領域番号 |
09470449
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
名倉 英明 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80013960)
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研究分担者 |
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 副手 (10152448)
安藤 健司 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (70277466)
鎌田 伸行 徳島大学, 歯学部, 講師 (70242211)
高橋 雄三 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (50014329)
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キーワード | 口腔扁平苔癬 / 細胞性免疫 / CD68 / T細胞 / HLA / DRB1 / DQB1 / DPB1 |
研究概要 |
口腔扁平苔癬(OLP)は粘膜直下のT細胞の浸潤を特徴とし、細胞性免疫の異常が関与していると示唆されているが、その病因については不明な点が多い。本申請では、OLPの病態形成解明の一助として、OLP疾患部の免疫組織学的検索を行うと共に、OLP患者のHLA型のタイピングを行った。1.免疫組織学的検索〈方法〉OLP19例、対照として健常歯肉5例を通法に従いパラフィン包埋、4mmの切片を作製、各種抗体を用いてLSAB法にて染色を行った。〈結果および考察〉OLP患部では上皮直下に多数のリンパ球の浸潤が認められた。OLP患部でも基底膜が不明瞭な部位ではPan-T、Pan-B、CD68、HLA-class II陽性細胞が有意に上昇していた。次に、Ki-67にて染色を行ったところ、基底膜が不明瞭な部位では明瞭な部位よりもKi-67陽性細胞は減少していた。よって、基底膜不明瞭部位では、細胞性免疫の亢進と細胞増殖能の低下が示唆された。2.HLA型の検索〈方法〉OLP患者17名とOLP,LPの既往のない健常人17名のヘパリン加血液よりマイクロビーズ法により単核球を分離し、リンパ球障害試験法にてHLA-I、IIのタイピングを、また、ヘパリン加血液よりDNA抽出キットによりDNAを抽出し、PCR-RFLP法によりDRB1,DQB1,DPB1遺伝子型を検索した。〈結果および考察〉健常者に比べてOLP患者で上昇傾向にあるHLA型は、class Iでは、A-2、A-11、B-35、Cw-1、Cw-7であった。class IIでは、DR-4、DQ-4であった。遺伝子型では、DRB1^*0405、DQB1^*0301、DQB1^*0401であった。また、OLP患者で減少傾向にあるのは、A-33、B-44、DR-6、遺伝子型では、DRB1^*1302であった。以上の結果ついてFisherの直接確率法によりOLP患者と健常者間で群間比較を行ったところ、有意な差を示したHLA型はなかった。今後、更に検体数を増やして検討する必要があると示唆される。
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