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1999 年度 実績報告書

口腔癌の発生・増殖・進展に関する研究-特に細胞周期関連因子における異常の検索-

研究課題

研究課題/領域番号 09470456
研究機関広島大学

研究代表者

石川 武憲  広島大学, 歯学部, 教授 (10049380)

研究分担者 原田 直  広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50238185)
杉山 勝  広島大学, 歯学部, 助教授 (70187681)
キーワード唾液線腫瘍 / 遺伝子 / p53 / p21 / 腺上皮 / 筋上皮 / mRNA / 蛋白
研究概要

平成11年度は,口腔腫瘍の中で特異的な組織像を示す唾液腺腫瘍におけるp53とp21の発現様相を検討し、さらに,RES系腫瘍であるB細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)におけるp53の発現と化学療法剤の多用される本腫瘍の治療効果の関係を検討した。
1)ノーザン・ブロット法とウエスタン・ブロット法によるmRNAと蛋白の解析:被検材料として,唾液腺腺様嚢胞癌(ACC)由来の培養細胞株および唾液腺腺癌(AC)由来のin vitroの培養株2株,さらに唾液腺多形性腺腫(PA)2例,ACC2例および唾液腺粘表皮癌(MEC)1例のin vivoの新鮮凍結組織を用いた。対照群には正常顎下腺の新鮮凍結組織を被検材料として,p53およびp21のmRNAおよび蛋白の発現と様相を解析した。しかし,対照群に比較して,p53とp21のいずれもmRNAと蛋白の過剰発現は認められなかった。
2)免疫組織学的検索:検索材料としては,ACCの24例,MECの34例,ACの16例,PAの20例で計94例の唾液腺腫瘍例およびNHL18例の手術標本を用いた。PAでは,p53の発現は認めなかったが,P21は50%の例に発現を認めた。ACCでは,p53とp21は各々12.5,29.2%の例に発現を認めた。解剖学的部位別組織では,p53は管腔の裏装細胞に最も高頻度に認められ,P21は管腔の外側細胞と偽嚢胞腔形成細胞に発現した。MECではp53とp21の発現は各々23.5,47.1%の例に認めたが,部位別での相関性はなかった。ACでは,p53とp21の発現率は各々31.3と43.8%であった。NHLでは,55.6%の例にp53の発現がみられ,NHLに対する化学療法の奏功性との関係をみると,p53陽性例の半数は,有効または不変であったのに対し,p53陰性のNHL例では75%の例で著効を示した。以上の結果,唾液腺腫瘍は他臓器の腺癌の構成細胞とは増殖機序に違いのあること,さらに腺上皮と筋上皮のそれぞれが関与する部位の構成細胞も増殖機序に差異のあることが強く推定された。NHLではP53の発現と化学療法との間に相関性がみられ,p53の異常は治療学的予後を示唆するマーカーになり得る可能性があり,また,臨床的有用性のあることが推定された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Miwa Miyauti,etc: "P53,bcl-2 and bax abnormalities in non-Hodgkin's lymphomas of the head and neck"J Oral Pathol Med. 29. 180-185 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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