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1997 年度 実績報告書

新しい腫瘍マーカーを用いた口腔癌化学療法効果に関する多変量解析

研究課題

研究課題/領域番号 09470459
研究機関札幌医科大学

研究代表者

山口 晃  札幌医科大学, 医学部, 助手 (10210353)

研究分担者 井手 隆  札幌医科大学, 医学部, 助手 (70274933)
田中 信幸  札幌医科大学, 医学部, 講師 (50163548)
小田島 哲世  札幌医科大学, 医学部, 講師 (00177239)
キーワード口腔癌 / 腫瘍マーカー / GST-π / 生存率 / 予後因子 / 酵素免疫アツセイ法 / マイクロプレートリーダー / 臨床病理学的所見
研究概要

胎盤型glutathion-S-transferase(GST-π)は腫瘍細胞の薬剤耐性に関与する多機能酵素として知られている。我々は、GST-πが口腔癌の腫瘍マーカーとしてきわめて有用であることを初めて報告した(Cancer,1992)。本研究では、GST-πが口腔癌の予後因子として意義があるかどうか検討した。症例は初診時から外科療法施行後、定期的に経過観察された口腔扁平上皮癌の患者83例で、初診時に血漿GST-π値を測定し、臨床病理学的所見との関係について解析すると共に、Kapran-Meiyer法による5年累積生存率、Coxのregressionモデルによる生存率の多変量解析を施行した。血漿GST-π値の測定は平成9年度に購入した研究備品のマイクロプレートリーダーを用い、酵素免疫アツセイ法で行つた。対照例の検索から、血漿GST-π値のcut-off値を30.4ng/mlとし、cut-off値以上をGST-π陽性とした。GST-πの値(mean±S.D.)や陽性率は年齢、性差、腫瘍径、リンパ節転移、病期、分化度に関係しなかつたが、膨張性増殖型より浸潤性増殖型にGST-πの陽性率、値共に有意に上昇していた。またリンパ節転移陰性例、病期I・IIの例では、GST-πの陰性例と陽性例間に5年累積生存率に差はなかつたが、リンパ節転移陽性例,病期III・IVの例では、5年累積生存率はGST-π陰性例よりGST-π陽性例で有意に低下していた。Coxの比例ハザードモデルによる解析では、腫瘍径、リンパ節転移、病期と共に、GST-πは口腔癌患者の生存率に関係する危険因子として重要であつた。GST-πは独立した口腔癌の予後因子としての意義があるものと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Odajima Tetuyo et al: "Telomerase activity in oral squamoua cell carcinoma.Proc.Am.Assoc." Cancer Res. 38. 508 (1997)

  • [文献書誌] Odajima Tetuyo et al: "Non-radioactive Screening of p53 Mutation in Human Oral Cancers Detected by Single strand Conformation Polymorphism Analysis" Tumor Res. 31. 43-54 (1996)

  • [文献書誌] Miyazaki Akihiro et al: "Cytotoxicity of Histocompatibility Leukocyto Antigen-DR8-restricted CD4^+killer T Cell against Human Autologous Squamoas Cell Carcinoua" Jpn.T.Cancer Res. Fel88. 191-197 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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