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1999 年度 実績報告書

新しい腫瘍マーカーを用いた口腔癌化学療法効果に関する多変量解析

研究課題

研究課題/領域番号 09470459
研究機関札幌医科大学

研究代表者

山口 晃  札幌医科大学, 医学部, 助手 (10210353)

研究分担者 井手 隆  札幌医科大学, 医学部, 助手 (70274933)
田中 信幸  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50163548)
小田島 哲世  札幌医科大学, 医学部, 講師 (00177239)
キーワード口腔癌 / 予後因子 / 腫瘍マーカー / P53 / 免疫組織 / E-カドヘリン / α-カテニン、 / β-カテニン
研究概要

本研究では第一に口腔扁平上皮癌174例におけるP53蛋白の発現について検討した。ホルマリン固定パラフィン包埋組織切片に対してP53蛋白のモノクローナル抗体(DO-7)を用い、P53蛋白の発現を免疫組織化学的に検索した。P53蛋白陽性細胞の割合10%以上を陽性、以下を陰性とし、さらに陽性症例はP53蛋白の局在性に関して、限局型(focal)とびまん型(diffuse)とに分類した。これら免疫組織学的所見と臨床病理学的所見との関連、ならびに5年累積生存率を解析した。その結果、P53陰性例93例の5年累積生存率は82.3%であったのに対し、P53陽性81例では66.2%であった。さらに陽性例を染色パターンから限局型とびまん型に細分類して比較検討すると、限局型26例の5年累積生存率は80.8%であったのに対し、びまん型55例では59.2%であり、有意に低下していた。このことはびまん型の症例では変異型P53蛋白の発現を示し、一方限局型の症例は野生型P53蛋白の発現を示している可能性が示唆された。またP53陰性症例は術前化学療法が有効な症例が多いことから、P53蛋白の発現が臨床像を把握する上で有効であり、口腔癌の予後因子として意義があるものと考えられた。
次に口腔扁平上皮癌症例192例における細胞間接着因子E-カドヘリンとその細胞膜裏打蛋白、α-カテニン、β-カテニンの発現と臨床病理学的所見との関係について検索した。少なくとも1つ以上のマーカーに異常発現をみる癌は、リンパ筋転移、浸潤様式、再発と有意に相関し、症例の生存率も有意に低下した。多変量解析により、細胞間接着因子はリンパ筋転移、浸潤様式と共に有用な予後因子と評価された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tanaka N,et al.: "Immunohistochemical expression of P130 oncogene in oral squamous cell carcinoma referred to historothological findings"Oral Oncology. IV. 75-78 (1999)

  • [文献書誌] Tanaka N,et al.: "Immunohistochemical investigation of new suppresor oncogene P130 in oral squamous cell carcinoma"European J of Cancer. 35・3. 321-325 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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