研究課題/領域番号 |
09470460
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
大野 康亮 昭和大学, 歯学部, 助教授 (30112725)
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研究分担者 |
江川 薫 昭和大学, 歯学部, 助教授 (60119162)
山口 朗 昭和大学, 歯学部, 助教授 (00142430)
島 晴信 昭和大学, 歯学部, 助手 (60255883)
代田 達夫 昭和大学, 歯学部, 助手 (60235760)
松井 義郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (10181687)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 卵巣摘出ラット / エストロジェン / インプラント |
研究概要 |
本研究においては、 1)解剖実習用遺体および骨粗鬆症患者の病理解剖遺体を用い、顎骨あるいは歯周組織など口腔領域に骨粗鬆症が及ぼす影響を明らかする。 2)卵巣摘出ラットを用い、エストロゲンの減少に伴う骨代謝異常や骨粗鬆症治療薬の投与が顎骨などの構造変化、骨創治癒や人工歯根周囲の骨反応に与える影響について形態学的に検討する。 これらの検討から、原発性骨粗鬆症の口腔外科領域における病態解明ならびに骨粗鬆症患者に対する口腔外科的手術や人工歯根の適用についての指針を得ることが本研究の目的である。本年は以下のことを行った。 1)骨粗鬆症の病態解明に関する検討では、実習解剖遺体(26体)から上腕骨、撓骨、腰椎、腸骨、大腿骨および顎骨の一部を摘出し、性、年齢によるそれぞれの骨の変化を計測学的ならびにX線学的に検討している。 エストロゲンの減少がインプラント周囲の骨組織に与える影響 インプラントを埋入して2か月経過させた後、ラットの卵巣を摘出した。卵巣摘出後、一定期間毎に屠殺して脛骨を摘出し、インプラント周囲の骨組織の変化を組織学および骨形態計測学的に検討した。その結果、新生骨の形成ならびにHAと骨との結合に関しては、偽手術群と卵巣摘出群との間では差はほとんど見られなかった。一方、人工歯根周辺の新生骨梁の吸収は卵巣摘出群の方でより速やかに進行していた。これらのことより閉経後一定期間が経過し、骨の代謝回転が亢進した患者では、人工歯根の適用にあたっては周囲に形成された骨梁のすう疎化に対する慎重な配慮が必要であると考えられた。
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