研究課題/領域番号 |
09470461
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
石橋 克禮 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20013980)
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研究分担者 |
佐々木 文彦 鶴見大学, 歯学部, 助手 (10318917)
長島 弘征 鶴見大学, 歯学部, 助手 (70257343)
中川 洋一 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90148057)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | Oral streptococci / 病原性 / penicillin binding proteins |
研究概要 |
Oral streptococciは口腔の最優勢菌属で、歯性感染症、感染性心内膜炎にも関与している。しかしながら、Oral streptococciの病原性に関する検討は少なく、感染のメカニズムには不明な点が多い。また、近年、本菌属の一部の菌種において、本来感受性が良好であったβ-lactam剤に対し、penicillin binding proteins(PBPs)の変異による耐性化が報告されている。そこで当該研究ではOral streptococciの潜在的病原性および感染症治療を想定した場合に問題となりうるβ-lactam剤耐性株に着目し、検討を行った。病原性に関する検討では、口腔閉塞膿瘍から高頻度に分離されるS.millri groupの病原性および嫌気性菌の1つであるF.nucleatumとの混合感染時の協力作用についての解析を行った。S.milleri groupは単独接種に比較しF.nucleatumとの混合接種では膿瘍の増大を認めた。また、F.nucleatumの培養上清との混合によりS.constellatusの所期増殖は促進され、多形核白血球のS.constellatusに対する貪食能の低下および一部の炎症性サイトカインの産生も抑制する傾向が認められた。これらの結果から歯性感染症でのS.milleri groupの病原性はF.nucleatumの存在により増強されることが示唆された。薬剤耐性に関する検討では、口腔常在菌叢中のβ-lactam剤耐性streptococciは健常人において普遍的に存在する可能性があり、分離された耐性株におけるPBPの薬剤親和性の低下が認められた。Oral streptococciの耐性化の傾向および耐性機構を明らかにすることは、その潜在的病原性に加えて、S.pneumoniaeのペニシリン耐性への関与の点からも重要であると考えられた。
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