研究概要 |
レーザーとフッ素併用法の初期う蝕の再石灰化に与える影響(in vivo study) 人工的初期脱灰エナメル質をAPF溶液に浸漬後Nd:YAGレーザーを照射すると、エナメル質表面はフッ素化合物でコーティングされその化合物はin vitroでの脱灰に対して安定性が高いことを前年度報告した。今年度はさらにレーザーとフッ素併用を行った初期脱灰エナメル質のin vivoにおける表面の形態的変化とF,Caの分布変化について検索した。 材料と方法】矯正治療を目的として抜去された幼若永久歯を実験材料とした。約3mm×3mmのエナメル片を作成し、ハイドロキシエチルセルロースを含む0.1M乳酸緩衝液(pH 4,5)に37℃下で4日間浸漬し初期脱灰巣を生成した。次に4分間APFに浸漬後レーザー照射を行い、これを実験試料とした。尚、無処理を対象試料とした。各資料を成人上下顎臼歯頬側面に光重合型レジンにて接着し、3カ月後に回収した。各試料のエナメル質表面をSEMにて観察した。また縦断面に対しては電子線マイクロアナライザー(EPMA)で両分析を行い、Ca,Fの分布を測定した。 【結果】初期脱灰後一連の処置を施したエナメル質片を3ケ月間成人臼歯部に接着し、エナメル質の変化をみたところ、次の所見を得た。(1)脱灰直後に見られたエナメル質表面の陥凹は浅くなり、全体がより平滑な象を示した。(2)エナメル表面下に均一なフッ素の取り込みが認められた。(3)フッ索浸漬後レーザー照射照射エナメル質の表層にフッ素の取り込みが多く、かつ同部位に高いカルシウム分布がみられた。
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