研究概要 |
幼若永久歯平滑百エナメル質の白濁と粗造感を呈する初期う蝕に対するNd : YAdレーザーの照射と酸性フッ素燐酸溶液塗布の併用による経過観察での臨床的有用性について評価した。幼若永久歯2本を対象歯として、白濁部位こNd : YAGレーザー照射(20pps,40mJ,0.5s)し、その後の2年間の経過観察を行った。その結果、白濁の程度に変化が特に認められながった歯は16本(50%)、エナメル質に透明感が認められた歯は8本(25%)、白濁のほぼ消失が認められた歯は5本(15.6%)、う蝕への進行を認めた歯は3本(9.4%)であった。さらに探針での触診では27本(84.4%)が滑沢な表面を呈し、歯髄や歯周組織への侵襲は認められなかった。Nd : YAGレーザーとフッ素塗布の併用が初期う蝕の進行抑制に有用であることは示されたが、う蝕へ進行した症例もあったことにより、適応症についての配慮な主検討課題も残された。 また、外傷等により脱落した乳歯および永久歯の再植に際して病的吸収や脱落を防止に対するNd : YAGレーザーの応用の可能性を検討することを目的として、抜去歯歯根セメント質へNd : YAGレーザーを照射してその効果を検討した。これまでに象牙質へのNd : YAGレーザーにより破骨細胞の象牙質への接着が抑制されることを報告してきたが、歯根膜由来線芽細胞のセメント質、レーザー照射面に対する接着性は特に抑制されないことが示された。しかし、その接着性の相違を規定する要因は不明であり、引続き検討しなくてはならない課題として残されている。
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