研究概要 |
本研究の目的は、機械的刺激に対して、歯肉由来細胞(毛細血管内皮細胞、線維芽細胞、上皮細胞)がどのように応答するのかを明らかにすることである。前年度は、ヒト臍帯動・静脈血管内皮細胞を使用して、細胞に与える機械的刺激の条件(刺激の強さ、時間等)を検討した。本年度は、前年度の結果を参考に、ヒト歯肉線維芽細胞に機械的刺激を与え、同細胞の応答性を検討した。ヒト歯肉線維芽細胞は、通法に従い分離し、細胞伸縮装置(フレクサーセル)を用いて細胞に機械的刺激を与えた。刺激の条件は、臍帯静脈血管内皮細胞の場合と同じく、最大応力(24%伸展)で1日につき0,6,12,24時間細胞に刺激を与え、細胞数の変化を経時的に検討した。その結果、ヒト歯肉線維芽細胞に1日24時間刺激を与えると、静置した場合に比較して細胞数が増加する傾向が認められた。1日に6,12時間の刺激を与えた場合には、細胞数の増加は認められなかった。これらの結果は、臍帯静脈血管内皮細胞の場合と同様であった。また、今後必要となる歯肉毛細血管内皮細胞の分離も併せて行っている。
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