研究課題/領域番号 |
09470472
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中村 亮 徳島大学, 歯学部, 教授 (30034169)
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研究分担者 |
増田 かなめ 徳島大学, 歯学部, 助手 (30243710)
吉岡 昌美 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90243708)
日野出 大輔 徳島大学, 歯学部, 助教授 (70189801)
嶋田 順子 徳島大学, 歯学部, 教務員 (10170945)
田部 慎一 徳島大学, 歯学部, 助手 (40284301)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | Porphyromonas gingivalisの生育 / カルボキシペプチダーゼ / ATP産生 / アルギニン・デイミナーゼ / エネルギー獲得 / 熱ショック蛋白質 / 自己防御機構 / 歯周病病原性 |
研究概要 |
Porphyromonas gingivalis(P.g.の)菌体細胞質からアルギニン・カルボキシペプチダーゼ(K-CP)を分離・精製した。SDS-PAGEで3本に分離した酵素タンパクのN末端アミノ酸配列は30残基まで全く同じで、YEWNAYPTYEAYISMMEEFQTKYPSLXTXSであった。K-CPはペプチドのC末端に存在するアルギニンを遊離させるexo-typeの酵素でリシンに対しても強い親和性を示した。K-CPのアミノ酸配列をコードするORFに基づいたアミノ酸配列のホモロジー検索を行ったところ、zinc carboxypeptidase familyと相同性が認められ、zinc-binding regions signatureを示す共通配列が存在した。次に、本菌は、エネルギー産生に直接関与するアルギニン・デイミナーゼ(ADI)経路を持っていることを確認し、この経路の三つの酵素活性をと測定するとともに、最終的にATPの産生を認めた。本菌のトリプシン様酵素(cysteine protease)は、IgG,IgA、補体などを分解し、宿主防御回避機能を持っていることも分かっており、K-CPとともに自己防御しながら、生育に必要なアルギニンを歯周組織から獲得すると同時に組織を破壊していくものと考えられる。 一方P.g.菌は、Gro-EL様ならびにDnaK様の熱ショック蛋白質を産生するが、これらの蛋白質は他の歯周病原性細菌の産生する熱ショック蛋白質とも高いホモロジーを示した。このことは、他菌の熱ショック蛋白質と同様にP.g.菌自身の防御と生育に重要な役割を果たしているものと思われる。今後はこの熱ショック蛋白質の遺伝子を解析するとともに、シャペロン機能について検索していく予定である。
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