研究課題/領域番号 |
09470488
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
池上 四郎 帝京大学, 薬学部, 教授 (10119555)
|
研究分担者 |
東屋 功 帝京大学, 薬学部, 助手 (50276755)
高橋 秀依 帝京大学, 薬学部, 助手 (10266348)
大竹 廣雄 帝京大学, 薬学部, 助手 (50256054)
宮嵜 洋二 帝京大学, 薬学部, 助手 (70211597)
|
キーワード | 有機鉛試薬 / エン-ジイン化合物 / イノシトール / 環変換 / 脱炭酸グリコシル化 / オルトエステル糖 / 還元的グリコシル化 / シクロフェリトール |
研究概要 |
生体関連機能物質及び関連するリ-ド化合物に焦点を当て、分子設計と合成及び生物活性評価を通して構造活性相関を明らかにし、創薬の種を発見することにある。平成9年度で得られた研究成果を以下の要約する。 1)有機鉛試薬を利用して確立したα-アルキニルケトンの汎用的合成法を、基礎研究として制癌活性を示すエン-ジイン系薬物合成に生かすべく縮環側の環の大きさを変えた化合物の合成に応用した。環の歪みと安定性に関して分子力場計算と実測値の関係を追及した。 2)循環器疾患治療薬の開発に対しては血液凝固の後期段階である腺溶系阻止因子としてトロンボモジュリンの生産増加を促す薬物の創製を目的として9-シスを環で固定したレチノイン酸類縁体を数種合成し、固定環が5員環の高活性新物質を発見した。この知見を基に各種の5員環化合物の合成を試みている。 3)グリコシル化の新しい方法論を確立するための試みとして、ドナーとアクセプターをカルボナ-トとして連結するための合成法がほぼ確立できた。次は各種プロモタ-を用いて脱炭 酸によるグリコシル化反応を選択性を含めて検討し、興味ある知見を得た。 4)新規グリコシル化反応開発の一環として、1-デヒドロ糖と他の糖の間で形成されるオルトエステルの合成と還元剤による選択的還元的開裂によるグリコシル結合の形成を検討し、特徴的グリコシル化反応を見出した。現在、各種糖間への拡大を検討している。 5)汎用性の高い合成中間体である多置換シクロヘキサン環の構築を、触媒的Ferrier反応を通して実用的合成法として確立した。この変換を利用して9種の立体配置の確立したイノシトールやグルコシダーゼ阻害薬開発に向けて検討を加えている。
|