研究概要 |
1.ペプチドの合成 下記のヒト脳のNaチャンネルのIII-IVリンカー部のアミノ酸配列 DNFNQQKKKFGGQDIFMTEEQKKYYNAMKKLGSKKPQKPIPRPANKFQGMVFDから、3つの連なった疎水性アミノ酸IFM部分を含む以下のペプチドを本年度購入したペプチド合成機(モデル433A)を用いて合成した。 1)MP-1A:Ac-GGQDIFMTEEQK-NH_2 2)MP-2A:Ac-GGQDIQMTEEQK-NH_2 3)MP-1NA:Ac-GGQNIFMTEEQK-NH_2 4)MP-1QEA:Ac-GGQDIFMTQEQK-NH_2 5)MP-1EQA:Ac-GGQDIFMTEQQK-NH_2 6)MP-QQA:Ac-GGQDIFMTQQQK-NH_2 7)MP-1NQQA:Ac-GGQNIFMTQQQK-NH_2 8)MP-3A:Ac-KKKFGGQDIFMTEEQKK-NH_2 9)MP-4A:Ac-KKKFGGQDIQMTEEQKK-NH_2 2.NMRスペクトルの測定 (1)MP-1A,MP-2A,MP-1NA,MP-1QEA,MP-1EQAによるPhosphatidylserine(PS)リポソーム溶液中の局所麻酔薬ジブカインのプロトンNMRの化学シフトへの影響について研究した結果、MP-1Aはジブカインのキノリン環プロトンのピークを高磁場シフトさせたのに対して、MP-2Aは逆に低磁場シフトさせた。このことから、ジブカインのキノリン環とIFM部分のFの芳香環とがπ-πスタッキング相互作用している事が証明された。また同じキノリン環の化学シフトは、MP-1EQAにおいても最も強く影響を受け、MP-1NAにおいて最も影響をうけなかった。これらの結果は、IFM直前のDのマイナスチャージおよIFMTの次のEのマイナスチャージがジブカインの三級アミン窒素のプラスチャージとの静電相互作用に重要である事が分かった。
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