研究概要 |
1.ペプチドの合成 本年度は、一昨年度に合成した下記1)〜5)に加えて、ペンタペプチドKIFMKおよびその関連ペプチド6)〜9)を固相合成法(Fmoc法)に基づいて合成した。 1)MP-1A:Ac-GGQDIFMTEEQK-NH_2 2)MP-2A:Ac-GGQDIQMTEEQK-NH_2 3)MP-1NA:AC-GGQNIFMTEEQK-NH_2 4)MP-1QEA:Ac-GGQDIFMTQEQK-NH_2 5)MP-1EQA:Ac-GGQDIFMTEQQK-NH_2 6)KIFMK: Ac-KIFMK-NH_2 7)KIFMT: Ac-KIFMT-NH_2 8)KDIFMTK:Ac-KDIFMTK-NH_2 9)KIFMk:Ac-kIFMk(kはDーリジン) これら種々のペプチドを用いてMP-1Aおよびその関連ペプチドとペンタペプチドKIFMKおよびその関連ペプチドとの相互作用NMRおよびCDスペクトルにより研究した。 2.NMRスペクトルの測定 各種二次元プロトンNMRスペクトル(COSY,TOCSY,NOESY)の測定を80%トリフルオロエタノール(TFE-d_2)中において行い、ペプチドのプロトンの帰属を確認した。1)〜5)のペプチドと6)〜9)のペプチドとの相互作用に基づく化学シフト変化およびCDスペクトルの測定の結果、ペンタペプチドKIFMKはMP-1AのIFMモチーフ前後の酸性アミノ酸と静電相互作用する事によりMP-1Aのαヘリックス構造を安定化させる事が分かった。KIFMKによる不活性化機構に欠陥のあるナトリウムチャンネルの不活性化の回復は、III-IV リンカーの構造の安定化も理由の一つであると結論した。
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