研究課題/領域番号 |
09470499
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)
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研究分担者 |
柏木 敬子 千葉大学, 薬学部, 助手 (80169424)
柿沼 喜己 千葉大学, 薬学部, 助教授 (80134394)
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キーワード | 蛋白質合成開始 / SD配列 / NMDA受容体 / ポリアミン結合部位 / ポリアミン輸送 / protein kinase |
研究概要 |
1.大腸菌のオリゴペプチド結合蛋白質(OppA)の合成は、ポリアミンにより翻訳レベルで強い促進を受ける。このOppA mRNAの構造をZuckerの方法によりコンピュータで解析すると、Shine-Dalgarno(SD)配列が部分的にstem構造を形成し、その上流にGC stemが存在する。この構造を一本鎖RNAのGを切断するRNase T1と二本鎖RNAを切断するRNase V1を用いて証明した。さらに、ポリアミンを添加するとOppA mRNAの構造が変わり、SD配列が露出することを上記RNasesを用いて証明した。 2.NMDA受容体はポリアミン、特にスペルミンによりその活性が二面的に調節されている。すなわち、スペルミンは脱分極時には活性を促進し、過分極時には活性を阻害する。この2カ所のスペルミン結合部位を決定するために、一アミノ酸残基置換変異NMDA受容体をアフリカツメガエル卵母細胞上に発現させ、活性を測定した。その結果、スペルミンによる脱分極時の促進にはGlu342、Trp608、Trp611、Asn616、Trp647、Asp669が関与し、過分極時の阻害にはTrp563、Asn616、Glu621、Asp669が関与していた。すなわち、2カ所のスペルミン結合部位の一部は重複しており、膜内外の電位差により、スペルミンが膜中に移動していくと推定された。 3.酵母のポリアミン輸送系を活性化する種のserine/threonine protien kinase(PTK1とPTK2)遺伝子をクローニングした。PTK1は遺伝子のコピーナンバーが多いときのみポリアミン輸送を活性化したが、PTK2はシングルコピーで活性化した。従って、PTK2のほうがregulatorとして重要であることが示唆された。
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