研究課題/領域番号 |
09470503
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 公道 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80025709)
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研究分担者 |
中川 貴之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (30303845)
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
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キーワード | 麻薬性鎮痛薬 / オピオイド受容体 / 麻薬依存形成 / 脱感作 / RGS / Gタンパク質 / 可塑的神経機能変化 / slow depolarization |
研究概要 |
RGS(Regulators of Q-protein Signaling)はGタンパク質αサブユニットのGTPase活性を促進することで、Gタンパク質を介する情報伝達系を負に調節することで、順応や脱感作といった生理現象に関わっている可能性が示唆されている。本研究では、クローン化オピオイド受容体を発現させたPCl2細胞を用いて、アゴニスト持続的処置がRGS mRNAの発現量に与える影響を、Northem blot法により検討した。μおよびκオピオイド受容体を発現させたPC12細胞において、それぞれのアゴニスト(μ:モルヒネ、DAMGO、κ:U69,593)を処置することにより2〜4時間をピークとし、また処置するアゴニストに対して濃度依存的にRGS4mRNAの発現量の一過性の増加が見られた。アゴニスト2時間処置によるRGS4 mRNA量の増加は、それぞれのアンタゴニスト(μ:naloxone、κ:norBNI)の同時処置により阻害された。また、百日咳毒素を前処置しておくことによっても、このRGS4 mRNA量の増加は阻害された。 また、成熟ラット後根付き脊髄スライス標本を用いて、後根(C線維)の反復刺激により脊髄後角第II層ニューロンにおいて誘発される緩徐な脱分極(slow depolarization、SD)に対する調節機構について電気生理学的に検討した。その結果、SDはシナプス前性オピオイドμ受容体を介する抑制を受けること、ノルアドレナリン系は関与しないことが明らかとなった。また、SDはGABA神経系により、GABA_A及びGABA_B両受容体を介する抑制を受けること、GABA_Bを介した抑制はシナプス前に存在する受容体を介したものであること、さらに、セロトニン神経系を介しても抑制を受け、主にシナプス前5-HT_<1A>受容体が重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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