研究課題/領域番号 |
09470505
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小田切 優樹 熊本大学, 薬学部, 教授 (80120145)
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研究分担者 |
今井 輝子 熊本大学, 薬学部, 教務員 (70176478)
今村 順茂 熊本大学, 薬学部, 助教授 (30040314)
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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キーワード | 血清アルブミン / 光アフィニティラベル / ケトプロフェン / 薬物結合部位 / トポロジー解析 / アミノ酸残基 |
研究概要 |
本研究は、血清アルブミン分子上における薬物の結合サイトを特定化するため、光アフィニティラベル化により、血清アルブミン分子上の薬物結合部位のトポロジー解析を目的として企図されるものである。本年度は、アリルプロピオン酸系薬物ketoprofen分子のbenzophenone moietyの高い光反応性に着目して、光アフィニティラベル法によりHSA分子上のketoprofen結合部位の検討を行い、以下の知見を得た。 1)HSAと[^<14>C]ketoprofen(KP)をインキュベーションした後、100W Black lampで光照射し、光ラベルを行った。SDS-PAGEによって分離した後、ラジオルミノグラフィーで解析した結果、HSA分子に放射活性が取り込まれていることが判明した。また、HSA-[^<14>C]KP溶液に、過剰の非標識体(KP)を共存させると放射活性が消失したことより、このHSAのリガンド取り込みは、特異的なラベルであることが明らかとなった。 2)ラベル化HSAを臭化シアンで分解し、そのフラグメントをSDS-PAGEで解析したところ、二つのラベルペプチドが検出された。シークエンス解析を行った結果、一つはHSA分子上に存在する主要薬物結合サイトのうち、サイトIIを形成している領域の近傍であることが判明した。 今後は、KP結合部位のアミノ酸残基の同定を行う。次いで、Azidoimidadinodiazepineを用いて同様な検討を行い、サイトIIのアリルプロピオン酸系薬物結合部位とベンゾジアゼピン結合部位の位置関係を明らかにする。さらに、サイトIについてもこのような検討を試み、血清アルブミン結合部位の一次構造上においてマッピングを行う。
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