研究課題/領域番号 |
09470509
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
菅原 一幸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60154449)
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研究分担者 |
山田 修平 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (70240017)
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (40221915)
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キーワード | グリコサミノグリカン / ヘパリン / ヘパラン硫酸 / コンドロイチン硫酸 / N-アセチルグルコサミン / 糖転移酵素 / 神経突起 / グルクロン酸転移酵素 |
研究概要 |
硫酸化グリコサミノグリカンの生合成の機作と生物活性に関する以下のような研究成果を得た。 (1)グリコサミノグリカン鎖とコアタンパク質との結合領域GlcA-Gal-Gal-Xyl-Serの合成に関与する、遺伝子組み換え体グルクロン酸転移酵素Iの基質特異性や酵素学的な諸性質を明らかにした。 (2)以前の研究で、我々はウシ胎児血清中に、グリコサミノグリカン鎖とコアタンパク質との結合領域GlcA-Gal-Gal-Xyl-Serの末端のGlcAにGalNAcを転移するalpha N-アセチルガラクトサミン酸転移酵素を見い出したが、今回、この酵素を精製し、世界に先駆けてクローニングに成功した。cDNAを発現させて活性を調べたところ、この酵素は結合領域GlcA-Gal-Gal-Xyl-Serの末端のGlcAにGlcNAcをも転移し、ヘパリンやヘパラン硫酸鎖の合成開始を担い、コンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸鎖の合成との仕分けに関与するalpha N-アセチルグルコサミン酸転移酵素Iのであることが分った。その酵素反応生成物のNMRスペクトルから転移されたN-アセチルグルコサミンは確かにalphal-4結合でGlcAに結合していることも証明した。 (3)イカ軟骨由来の多硫酸化コンドロイチン硫酸Eが、ラット胎児の脳由来の培養神経細胞に対して神経突起伸長促進活性が存在することを示した。 (4)ヒト膀胱癌由来の細胞株ECV304に対してコード様構造の形成促進活性を有する癌細胞由来接着因子アンジオモヂュリンのへパラン硫酸上の結合ドメインのサイズが少なくとも十二糖あり高度に硫酸化された構造を必要とすることを明らかにした。
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