研究課題/領域番号 |
09470509
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
菅原 一幸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60154449)
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研究分担者 |
山田 修平 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (70240017)
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (40221915)
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キーワード | 血管新生 / 神経突起 / コンドロイチン硫酸E / ヘパラン硫酸 / アンジオモジュリン / ミッドカイン / プロテオグリカン / シンデカン |
研究概要 |
(1)血管新生調節因子アンジオモジュリンは、ECV304細胞というガン細胞の接着を促進したり、その形態を変化させコード様構造の形成を促進することが知られている。このアンジオモジュリンの機能発現にヘパラン硫酸(HS)が関与することが示唆されていたので、ECV-304細胞の産生するHSについて調べた。抗HS抗体による染色の結果、ECV304細胞の細胞表面および細胞外マトリックスにHSが存在することを証明した。そのHSプロテオグリカンの主要なものがシンデカンであることも、抗体を用いて同定した。また、細胞の培養培地中に[^3H]グルコサミンを添加して代謝標識後、細胞よりHSを単離し、その二糖組成を決定した。さらに、HSとアンジオモジュリンとの相互作用についても調べ、結合には硫酸基が重要であり、結合に必要なHSの最小サイズは十二糖であることを明らかにした。 (2)我々は以前に、イカ軟骨由来の多硫酸化コンドロイチン硫酸Eが、ラット胎児の脳由来の培養神経細胞に対して神経突起伸長促進活性が存在することを示していたので、その作用メカニズムを検討した。そのために、ヘパリンと同様の多硫酸化多糖であるコンドロイチン硫酸Eが、ミッドカインと相互作用して機能を発揮している可能性を調べた。ミッドカインは神経細胞の神経栄養因子であり、神経細胞の接着や突起伸長促進活性も有している。我々は一方では、イカ軟骨由来の多硫酸化コンドロイチン硫酸Eの構造研究から、この標品が三硫酸化二糖単位を含み、ヘパリンに匹敵する高硫酸化構造を有していることを明らかにしていたので、ミッドカインの作用メカニズムへの関与を調べたところ、ミッドカインを介した神経細胞の基質への接着をヘパリンと同様に特異的に強く阻害した。さらに、ミッドカインとの直接の分子間相互作用を示し、結合定数を決定した。また、胎生18日のラットの脳中にもE二糖単位が有意量存在することも示し、コンドロイチン硫酸Eが神経細胞の接着や突起伸長にin vivoで関与している可能性を強く示唆する結果を指摘した。
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