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1999 年度 実績報告書

LECラット肝臓に蓄積した銅の選択的除去機構の解明と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09470511
研究機関千葉大学

研究代表者

鈴木 和夫  千葉大学, 薬学部, 教授 (90109918)

研究分担者 小椋 康光  千葉大学, 薬学部, 助手 (40292677)
キーワードLECラット / ウィルソン病 / 銅 / メタロチオネイン / チオモリブデート / ICP-MS / 肝臓 / ATP7B
研究概要

先天性銅代謝異常症であるウィルソン病の動物モデルであるLECラットを用い、肝臓中にメタロチオネイン(MT)に結合して蓄積している銅(Cu)を選択的に除去することを目的とした研究を継続して実施した。昨年度に引き続き、TTMにより肝臓から除去された銅がどのような体内分布をとるか、またその機構はどのように説明できるかということ、さらにTTMを過剰に投与したときに肝臓内で生じるCu/TTM不溶性複合体の代謝的運命を明らかにすることに本年度の研究のターゲットを置いた。
TTMによって肝臓外へ排泄されるCuの化学形であるCu/TTM可溶性複合体が肝臓から排出された後、どのような挙動をとるかについて検討を行った。Cu/TTM可溶性複合体の主たる排泄経路は血流側ではなく、胆汁中であることを明らかにした。また除去されたCuの一部は腎臓及び膵臓に再分布したため、血流中に排泄されアルブミンとの間で形成された複合体の最終的な代謝過程を明らかにする手がかりを得た。
TTMを過剰に投与したときに肝臓内で形成されるCu/TTM不溶性複合体は、投与中止後に徐々に肝臓内で再可溶化し、可溶性のCu/TTM複合体と同様に胆汁中および血流中に排泄されることが明らかとなった。従ってTTM投与中止後にMTと結合して再蓄積するCuは、Cu/TTM不溶性複合体として肝臓内に残存したCuに由来せず、食餌中より供給されるCuに由来することが明らかとなった。これまでの検討と併せて考察するとTTMと生体内のCuはモル比に応じて3種類の複合体を形成するが、いずれの複合体も最終的にCu/TTM可溶性複合体となって肝臓外へ排泄されると考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y. Ogra: "Comparative mechanism and toxicity of tetra- and dithiomolybdates in the removal of copper"J. Inorg. Biochem.. 75. 199-204 (1999)

  • [文献書誌] K.T. Suzuki: "Identification of the zinc-binding protein specifically present in male rat liver as carbonic anhydrase III"Chem.-Biol. Interact.. 122. 185-197 (1999)

  • [文献書誌] K.T. Suzuki: "Copper increases in both plasma and red blood cells at the onset of acute hepatitis in LEC rats"Res. Commun. Mol. Pathol. Pharmacol.. 103. 189-194 (1999)

  • [文献書誌] Y. Komatsu: "Excretion of copper complexed with thiomolybdate into the bile and blood in LEC rats"Chem.-Biol. Interact.. 124. 217-231 (2000)

  • [文献書誌] Y. Ogra: "Metabolic fate of the insoluble copper/tetrathiomolybdate complex formed in the liver of LEC rats with excess tetrathiomolybdate"J. Inorg. Biochem.. 78. 123-128 (2000)

  • [文献書誌] 鈴木和夫: "生体による銅の制御機構と銅の選択的除去法:先天的銅代謝異常症ウィルソン病の治療法."薬学雑誌. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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