• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

目的とする治療作用と副作用を分離できる創薬技術の開拓とサイトカイン療法の最適化

研究課題

研究課題/領域番号 09470512
研究機関大阪大学

研究代表者

真弓 忠範  大阪大学, 薬学部, 教授 (00098485)

研究分担者 堤 康央  大阪大学, 薬学部, 助手 (50263306)
キーワードIL-6 / Bioconjugation / サイトカイン / DDS
研究概要

サイトカインは、次世代の治療薬として期待されつつも、その生体内安定性の乏しさとin vivo生理作用の多様性ゆえに、臨床応用が断念され続けてきた。我々が独自に開発を試みている水溶性高分子ハイブリッド化は、サイトカインの生体内安定性を飛躍的に向上できるうえ、さらに目的とする治療作用と副作用とを選択分離し得るため、上述の問題を同時に克服可能な新規創薬法として期待されている。本研究では、血小板造血製剤として注目されているIL-6を臨床に適用可能な医薬品として開発していくことを念頭に、生体内安定性に優れ、かつ多様なin vivo生理活性の中で目的とする治療作用(血小板産生促進作用)のみを有するハイブリッドIL-6を分子設計しようとするものである。以上の観点から本年度は、まずPEGを修飾高分子として用い、IL-6の最適ハイブリッド化条件を追求した。その結果、in vitroにおけるPEG-IL-6の比活性は、PEG修飾率の増大と共に減少し、この比活性低下の程度は、ハイブリッド化に用いたPEG分子量の増大に伴って著しいものとなった。これは、単に活性発現に関与するアミノ酸残基をPEG修飾してしまうことのみならず、IL-6に結合しているPEG鎖長の増大により生じる立体障害によっても、比活性が著しく損なわれてしまうことを意味している。一方、in vivoにおける血小板産生作用・副作用を評価したところ、分子量5,000のPEGで約50%のPEG修飾率に制御したPEG-IL-6(MPEG-IL-6)が最も有効性・安全性に優れていることが判明した。体内動態を検討した結果、MPEG-IL-6は血中滞留性、組織移行性、プロテアーゼ抵抗性などのバランスに優れていることが明らかとなった。以上、当初計画通りの成果が得られたものと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Mayumi T.et al.: "Lecithinaization of IL-6 enhances its thrombopoietic activity." J.Pharm.Pharmacol.49. 113-118 (1997)

  • [文献書誌] Mayumi T.et al.: "Antimetastatic effect of synthetic Glu-lle-Leu-Asp-Val peptide derivatives containing D-amino acids." Anti-cancer Drugs. 8. 702-707 (1997)

  • [文献書誌] Mayumi T.et al.: "Bioconjugation of tumor necrosis factor-α with the copolymer of divinyl ether and maleic anhydride increases its antitumor potency." Biochem. Biophys. Res. Commun.239. 160-165 (1997)

  • [文献書誌] Mayumi T.et al.: "Amino acids and peptides. XXX.1)Preparation of RGD hybrids with poly(ethylene glycol)analogs and their antimetastatic effect." Chem. Pharm. Bull.45. 1788-1792 (1997)

  • [文献書誌] Mayumi T et al.: "Fundamental study on molecular desigh of bioconjugated drugs with water-soluble polymeric modifiers." Drug Delivery System. 12. 431-437 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi