研究課題/領域番号 |
09470514
|
研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
小井田 雅夫 摂南大学, 薬学部, 教授 (80039651)
|
研究分担者 |
河野 武幸 摂南大学, 薬学部, 講師 (50178224)
中牟田 弘道 摂南大学, 薬学部, 講師 (70164275)
|
キーワード | Calcitonin / Parathy roid hormone / Osteoporosis / Enzyme immuneassay / Osteo clast / Osteoblast / Bone resorption / Bone formation |
研究概要 |
骨粗髭症治療薬としてのカルシトニン(CT)と副甲状腺,ホルモン誘導体(PTH)の作用機構・動態・相互作用について調べた。(1)動態・相互作用:平成9年度に開発したサケCT(sCT)とrat PTH(1-34)両者の超高感度ELISAを用いて、sCTの骨粗髭症治療量投与時におけるrat血中PTHの動態を調べ、sCTの治療作用におけるrat内因性PTH関与について検討し、sCT作用の少なくとも一部が内因性PTHに由来する可能性を示唆する結果を得た。(2)作用機構・新展開I:骨代謝担当細胞の破骨細胞(OC)と造骨細胞(OB)に対するsCT.とPTH(1-34)のin vitro作用について調べた。hPTH(1-34)はrat OCのpit形成能を異常に亢進させる反面、sCT感受性を約1/16に低下させること、IFN-γ、TNF、IL-1 βなどサイトカイン類に対する反応性の比較から、その性格付けを行った。一方、骨形成系に関する研究では、ラット骨髄由来OBによる骨形成系(nodule形成とCa沈着を指標)を確立し、hPTHの骨形成促進作用をinvitroで再現する目的で、多様なhPTHの作用様式(濃度・作用期間・作用時間など)で検討したが、hPTH(1:34)はin vitroでは.OBのnodule形成を一義的に抑制することを認めた。このOBを用いるin vitro骨形成系で、培養に用いるFCS中に骨形成抑制因子と骨形成促進囚子の存在を示唆する結果を得て、これら因子の同定実験に発展している。(3)新展開II:臨床で骨代謝指標(骨粗髭症患者で上昇)として汎用されている尿中deoxypyridinoline(D-Pyr)排泄の日内パターンにおいて、正常雌性ratで日内リズムは検出されないが、卵巣摘出後に明時で低く暗時に上昇するリズムが出現すること、また、治療量のsCT投与は尿中排泄量を増加させ、血中含量は低下させることを見いだした。この発見は、(a)sCTの排泄増加作用の機構解明と(b)尿中D-Pyrの骨吸収指標としての信頼度の再評価のための実験(進行中)に発展した。
|