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1998 年度 実績報告書

食品中バイオフラボノイドの薬物体内動態に及ぼす効果の生物薬剤学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09470524
研究機関九州大学

研究代表者

澤田 康文  九州大学, 薬学部, 教授 (80114502)

研究分担者 高長 ひとみ  九州大学, 薬学部, 助手 (20284523)
正山 征洋  九州大学, 薬学部, 教授 (70037604)
キーワードバイオフラボノイド / グレープフルーツジュース / P糖タンパク質 / CYP3A4 / 薬物間相互作用 / Caco-2細胞
研究概要

これまでに、グレープフルーツジュース(GFJ)と薬物との相互作用の要因は消化管における薬物代謝が原因であると報告されている。一方、CYP3A4と排出輸送機構であるP糖蛋白質(P-gp)の基質や阻害剤に重複がある。そこで、GFJとP-gpとの相互作用も薬物吸収の増大化が関わるとの仮説をたて、GFJが薬物吸収増大を引き起こす機構の一つとして消化管におけるP-gpのGFJ成分による阻害の関与について検討した。
Caco-2細胞、LLC-PKl細胞及びLLC-GA5-COL300細胞での[^3H]ビンブラスチン(VBL)の取り込みに及ぼすGFJ及びグレープフルーツの各部位の効果について検討を行った。Caco-2細胞においてGFJ存在下VBLの取り込みはGFJの濃度依存的に有意に増加し、VBLの初期取り込みに変化はなかった。よって、GFJによりP-gpを介したVBLのCaco-2細胞からの排出が特異的に阻害されることが示唆された。更に、グレープフルーツの異なる部分の成分によるCaco-2細胞でのVBLの取り込みに対する効果はいずれの部分の存在においてもVBLの取り込みは増加を示した。同様に、LLC-PK1細胞及びLLC-GA5-COL300細胞によるVBLの取り込みに対するGFJ酢酸エチル抽出物および抽出・同定を行ったジヒドロキシベルガモチン(DHBG)の効果を検討した。LLC-GA5-COL300細胞ではLLC-PK1細胞に比べVBLの取り込み量は減少し、50%GFJ酢酸エチル抽出物存在により大きく増加した。また、20μM DHBGの存在によりVBLの取り込みは有意に増加した。そこで、DHBGによるヒト肝ミクロソームでのテストステロン6β水酸化及びCaco-2細胞でのVBLの取り込みに対する効果について検討を行った。その結果、DHBGによりVBLの取り込みは増加し、一方、テストステロン6β水酸化は減少した。今回我々が同定したDHBGは既にCYP3A4の阻害剤として同定されており、消化管CYP3A4タンパク量の減少によるDHBGの阻害効果が報告されている。以上の結果より、本化合物が薬物代謝と排出輸送の両機能に対し阻害効果を持つことが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hitomi Takanaga: "Inhibition of vinblastine efflux mediated by P‐giycoproteion by grapefruit juice componeents in Caco‐2 caels" Biol pharm Bull. 21(10). 1062-1066 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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