音響組織特性に関する研究の中で超音波断層像のテクスチャ解析による診断支援を行う事の出来るシステムを研究した。テクスチャ解析は以下の如く行った。超音波診断装置から出力されるビデオ信号をパソコンに取り込み、関心領域の設定を行い、統計的に濃度ヒストグラム、同時生起行列などの多変量解析を行った。超音波断層像によるテクスチャ解析の精度を知るためにX線CT像についての解析も同時に行った。(1)肝硬変症例と正常群とは同時生起行列により分離された。(2)X線CT像の突発性間質性肺炎と正常肺とでは有為な差を認め、診断支援に役立つ可能性が明らかとなった。(3)Sonix Flex Scan Systemを用いて、骨の横断像を得て、骨肉の骨梁の詳細な画像が判明した。(4)骨梁のテクスチャ解析を行ったが、病的な骨の標本がないため、比較して、グループ間の差の検討が出来ていない。(5)医師の目による診断の限界性を支援するために正常組織と病的組織とを区別するシステムを作り上げる事が出来る見通しが出来た。
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