研究概要 |
本研究は日本における老人病院の看護管理の特徴を明らかにし,看護管理モデルを作成することを目的に行う4年間の継続研究である.3年目である本年度は,面接調査した病院の看護管理者に,どのように改革できているのか,その変化を調査したほか,2年間の調査のまとめをアンケート回答者(613名)に送付し,その後の経過を質問する調査を行った. 面接調査をした病院では,2年前の面接時には取り組み中の状況を報告し,その目指すところや問題点を中心に述べていたたが,現在その成果が徐々に現れてきている段階であった.成果としては,建物が長期療養型に新築,改築され,入院患者の環境がよくなり,その効果が入院患者に現れたこと,看護・介護スタッフに自律した動きや高度な学習を求める動きがでてきたこと,チームアプローチが整い,各職種の協力体制や協動ができてきたことなどがあげられた. 改革の方法としては,理念からそれぞれの目標をたて,実施し,振り返りをして自分たちの実践を評価することと,スタッフの力を発揮できる環境づくり(ハード面の他に,教育,ポジション,人間関係,サポート体制といったソフト面)があげられた. 平成12年春は老人病院における看護管理の理論化に向けて,面接調査を行った対象者を集めて,実際的な面から意見を収集して内容を深め,妥当性を検討する予定である.
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