研究課題/領域番号 |
09470534
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
横手 芳惠 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80200905)
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研究分担者 |
門間 正子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40230180)
池田 光幸 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10159634)
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キーワード | 神経難病 / カウンセリング / 癒し / 神経難病看護 / ケアシステム |
研究概要 |
前年度実施した神経難病患者へのカウンセリング対象者30名に、在宅での経過とカウンセリング体験を、追跡調査した。12名の回答があり、多くがカウンセリングによって心理的安定や悩みと向き合う体験となっていたことを回答していた。その内の5名が自宅での面談に応じ、現在の情況、新たな問題など語った。その内容と入院中のカウンセリング内容から情況の変化と心理、カウンセリングの成果と限界について分析中である。平成11年度は、病院看護に導入することの意義が考察できた(雑誌「看護管理」発表)ことから、2名の専門看護婦を選出してもらい、研究会を発足させた。10月、前年度同様のカウンセリング希望調査を実施し、希望者8名があり、内2名に、専門看護婦によるカウンセリングを実施し、経過をスーパーバイズした。残りの希望者には前年度の実施者が対応した。患者の希望は看護者の担当を積極的に望んでいたことから、日常の看護にカウンセリングを導入することの意味が大きいことが明らかになった。また、看護者にとってカウンセリング体験は日常の活動とは異なり、患者の深いニーズに触れ、ケアに導けることが明らかとなり、今後の看護体制に生かせるものであると示唆された。 一方、前年度調査した看護者へのアンケート調査は8月、第4回日本難病看護学会で発表した。看護者による患者の心理的問題認識とその解決の体験は、神経難病患者の看護の専門性を高めていく上で、重要な体験として内在化していることが示唆された。現在、看護者によるカウンセリング実践の意義と合わせて全体的考察を進めている。 平成12年度は他の医療施設におけるカウンセリングと看護実践を比較分析して、神経難病患者の苦悩とその看護について、カウンセリング導入の意義をまとめる予定である。
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