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1997 年度 実績報告書

染織文化財の展示、保存、管理に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09480005
研究機関共立女子大学

研究代表者

齊藤 昌子  共立女子大学, 家政学部, 教授 (20104086)

研究分担者 小原 奈津子  昭和女子大学, 生活学部, 助教授 (90178301)
生野 晴美  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80110732)
馬越 芳子  蚕糸, 昆虫農技研究所・機能開発部, 室長
片山 明  東京家政大学, 家政学部, 教授 (20081333)
瀬口 和義  武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70098515)
キーワード染織文化財 / 天然染料 / 天然繊維 / 劣化 / 変退色 / 要因 / 機構 / 媒染剤
研究概要

染織文化財に古くから用いられて来た染料(茜と藍)についての研究では、片山がインド茜の色素成分の種類と量について検討した結果、色素はいずれもアグリコンでムンジスチン、プルプリン、プソイドプルプリンか16:1:l.7の割合で存在することを明らかにした。牛田は、天然藍の由来植物を特定するために、4種の天然藍(すくも藍、琉球藍、インド藍、ウオード)から不純物を抽出して高速液クロにより分析した結果、不純物の出方に違いがあること、その違いは天然藍の製造法によると推定できることを明らかにした。
天然染料染色布の劣化、変退色に及ぼす要因とその機構を明らかにするために、齊藤、小原、馬越、佐野、谷田貝、生野は絹(生、後練り)と綿(生機、精練漂白)を用いて媒染布(媒染剤:A13種、Fe3種)および染色布(色素:クルクミン、へマテイン、媒染剤:A1、Fe各l種)、合計44種のサンプルを作成し、様々な角度からの測定を行っている。キセノンランプヘの暴露による変退色の結果からは、変退色に及ぼす影響は染料>媒染剤>基質の順に大きいことを明らかにした。現在、ICP法および蛍光X線による媒染剤量の測定(齊藤)、変退色に及ぼす光源、湿度の影響(齊藤)、劣化による強伸度変化(生野、谷田貝)、ESRによるラジカルの測定(小原、佐野)、光回折(フラウンホ-ファー回折)によるテクスチャー変化(馬越)、FTIRによる繊維、染料の変化(谷田貝)、アミノ酸変化(佐野、馬越)、亜硫酸ガスによる退色(瀬口)、溶液系におけるスペクトル変化、高速液クロによる退色生成物の分離(生野)などの研究を進行中である。
これらの実験と平行して、合成染料を用いた実験(瀬口、小原)を進め、瀬口は核磁気共鳴、質量分析の結果から、アゾ染料の亜硫酸ナトリウムによる退色が共役エノン構造へのマイケル付加またはアゾ基の還元によることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 馬越芳子: "料絹の構造と組成" 国宝修理装溝師連盟定期研修会, (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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