研究概要 |
本研究は、日本および世界の科学技術における「非核コンヴァージョン」の歴史的な新展経過を総括的に把握するとともに、これからの日本および世界の「非核コンヴァージョン」促進政策の在り方について検討することを目的とする。 本年度においては主として、日本における民事利用分野での「非核コンヴァージョン」について、現在進行中のプロセスを分析することに力点を置いた。その理由は、内外の情勢が原子力開発利用にとってネガティブな方向に変化するなかで、原子力委員会の長期計画策定会議が発足したことにある。そこにおいて重要な政策転換がなされる可能性がある。したがってリアルタイムの歴史的分析は重要であると考えた。 今までの主な研究成果は、吉岡斉著『原子力の社会史-その日本的展開』(朝日新聞社、1999)、中山茂・後藤邦夫・吉岡斉編著『通史:日本の科学技術・国際期・1980〜1995』(学陽書房、1999)にまとめることができた。そして現在『脱原子力のエネルギー政策』(学陽書房)を執筆中である。 関連する成果として、M.Low, S.Nakayama,H.Yoshioka, Science,Technology and Socienty in Contemporary Japan, Cambridge University Press,1999、を出版した。他に多数の新聞記事・雑誌記事を執筆し、テレビジョン放送にも出演した。また研究代表者が原子力委員会専門委員を兼任している関係上、研究成果をリアルタイムで、政府審議会に反映させるようつとめた。
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