研究課題/領域番号 |
09480009
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 健夫 筑波大学, 体育科学系, 教授 (60029725)
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研究分担者 |
岡沢 祥訓 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (40110978)
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キーワード | 計画・過程・成果研究 / 体育の授業研究 / 介入実験授業 / 学習行動 / 指導行動 / 子どもによる授業評価 / 教師の指導性 |
研究概要 |
1)これまで3度の科学研究費の補助を得て、約10年間にわたって進めてきた「よい体育授業の条件に関する実証的研究研究」(プロセス・プロダクト研究システムを適用して)の研究成果を博士論文としてまとめ、筑波大学に提出した。また、9年度中に関連研究を「体育学研究」及び「スポーツ教育学研究」に3篇の論文(裏面)を発表した。 2)これまでの研究では、授業過程と授業成果との関係に注目し、多くの授業を対象にして、授業過程の学習行動や指導行動の一般的行動的特徴が授業成果にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしてきた。この研究の限界は、授業計画の変数が省略されていたこと、さらに、単元過程の一部分の授業を抽出して観察分析してきたことであった。そこで、今回は、全単元を対象に事例的研究を試み、計画・過程・変数を総合的に観察分析することによって「よい授業の条件」を究明しようと企てた。従来の「量的研究」に対して「質的研究」を指向するものである。 第1の実験研究では、千葉県の小学校のサッカーの単元に関わって「教師の指導性の発揮のしかた」に焦点を合わせ、介入実験授業を行った。第2の研究では、ボール運動における児童の話し合いを行動に焦点を合わせ、教材、教師の関わり、リーダーの特性がその内容をどのように規定するかを分析した。第3の研究では、器械運動の単元において、特に学習遅滞児が学習課題、教師の支援、学習集団の関係でどのような学習行動をとるかを分析した。いずれもの研究も、現在データを整理しているところである。 3)体育授業への態度と学級経営(子どもの学級への態度)との関係を調査分析した。このデータも現在分析中であるが、体育授業と学級経営との強い関係が明らかで、体育授業の成否が学級への意識に強く影響する事実を確かめることができた。
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