本研究では、従来定量的に取り扱うことができなかった戦術・技術に関するゲームパフォーマンス映像音声情報を体系的に処理し、その定性的特性からサッカーの戦術・技術理論およびそのコーチングに関する論理を検証すること、およびその結果に基づいて、サッカーに専門的なコーチ養成のための映像音声教材を開発することを目的とした。 サッカーの戦術・技術に関するゲームパフォーマンス映像音声情報を体系的に収集すること、およびその定性的特性からサッカーの戦術・技術理論およびそのコーチングに関する論理を検証することを進めた。 調査対象:少年団(小学生)、ジュニアコース(中学生)、コース(高校生)、大学生、プロ(J)リ-グ、および女子リ-グに層化し、合計約300試合を収集した。 調査時期:平成9年7月〜平成10年1月。具体的な調査期日は、リ-グ、ト-ナメント、クラブ、チームの年間行事計画に対応させた。そのために、調査期間が平成10年度までに及んでいる。調査の打ち合わせ、測定・分析機器の準備などは、平成9年7月までに行った。平成10年度シ-ズンについての準備は平成10年2月までに行った。 調査内容:サッカーゲームの戦術・技術に関する映像音声データ。 収集方法:調査対象グループごとの公式試合を試合会場にてVTRに収録した。テレビ放映される試合は録画した。 同日に調査対象の試合が開催されるために:複数の撮影チームを用意した。 分析方法:文部省社会体育指導者資格付与制度のB級およびC級、(財)日本サッカー協会S級コーチ養成カリキュラムに準拠して、戦術・技術体系を仮説した。この構成内容に従って収集された映像音声データを集約する手続きを進めた。 収録された映像から必要な戦術・技術データを抜き取るために、簡易映像音声編集システム機器を用いた。 サッカーゲームの戦術・技術構造の検証の定性的分析には、デルファイ法、特性要因分析法、親和法を用いた。 調査系統:(財)サッカー協会、全日本大学サッカー連盟、(財)日本プロサッカーリ-グの協力を得て調査を実施した。
|