本研究の最終成果として、コンピュータシステムに関して、ハードウェアと作成したソフトウェアを組み合わせ、システムの構築が終了し、ネットワーク接続を完了させ、実験運用を開始した。 本システムにより、CGIプログラミングを用いて構築されたサーバーから、問題をネットワークに配信することが可能となった。学習者は、ネットワークに接続した任意のコンピュータをクライアント機として、問題を受信し、その問題に解答し、ネットワークを介してサーバーに返信する。サーバーでは返信された解答について、解答者(学習者)を特定し、解答を採点して記録する。このシステムを活用し、大学初年度の学生を被験者として物理学の知識を試験した。さらに、サーバー上に格納する問題を、技術英単語に関するものとし、学習者の技術英単語に対する知識を推定するとともに、英単語を学習できるシステムを完成させた。 学習者の知識の評価方法として、記述式の問題に関する評価アルゴリズムに関する検討を行った。1つの問題に関連する用語をキーワードとして、物理学のうち力学の基本的な問題と、パーソナルコンピュータの操作法に関してこの方法を適用した。また、物理学の問題については、評価アルゴリズムによって得られた評点と、実際に物理学を担当する大学教員による採点を比較し、両者の整合性について検討している。 さらに、学習者の陥りやすい誤りについて、物理学公式の記憶の正確さとそれに対する確信度を評価した。
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