研究課題/領域番号 |
09480034
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
浅田 匡 神戸大学, 発達科学部附属人間科学研究センター, 助教授 (00184143)
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研究分担者 |
蘭 千壽 防衛大学校, 教授 (90127960)
稲垣 成哲 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70176387)
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キーワード | 子どもの社会化 / 教師教育 / 社会的構成主義 / 個と集団 / 学級適応 / 社会文化的アプローチ |
研究概要 |
今年度は昨年度と同様、各グループで研究を遂行した。 蘭グループは、学級集団における個と集団との関係に着目し、小学校5年生女子が転校に伴って新環境に適応していく様子(社会化)を、自由記述文を手がかりとして彼女の認知や感情、状況の意味づけや解釈の仕方などの変容から分析された。 稲垣グループは、授業における言語コミュニケーションの質的分析のための理論の検索と事例的分析を行なった。理論の検索については、ワーチ、ヴィコツキー レイプ等の学習理論等を踏まえ、社会文化的アプローチと称されるバフチンの対話理論の論者を行なった。また、事例分析は論考したバフチンの対話理論を小学校の理科に適用し、概念適用の有効性を示した。さらに、このアプローチに基づく教師教育の可能性についての検討を行なった。 浅田グループは、2つの研究を行なった。1つは教師教育の視座と子どもの授業への参加もしくは学習集団の凝集性という視点から、教師が用いる学習意欲の喚起・維持の手だてに関する調査を行なった。さらに、事例研究として小学校教師を対象とした1年間にわたる追跡研究を行なった。その結果、教師の手だては多様であるというよりもむしろ定石といえるような授業状況に対応したルーチン化した手だてを用いていることが示唆された。もう1つは、学級における子どもの人間関係と学習成果との関係を小学校4年、5年生を対象に調査研究を行なった。その結果、子どもの人間関係と学習成果との関係というよりも人間関係が密な子どもによるグループ編成が授業への参加を高めるが、理解レベルには必ずしも影響しないことが示唆された。
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