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1999 年度 実績報告書

日本語及び諸外国語のリズムの抽出・分析と日本語音声教育への応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09480047
研究機関東京外国語大学

研究代表者

鮎澤 孝子  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (70167972)

研究分担者 土岐 哲  大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10138662)
北澤 茂良  静岡大学, 情報学部, 教授 (00109018)
キーワードリズム / 日本語学習者 / 発話 / TEMAX / モーラ / 韓国語 / スペイン語 / フランス語
研究概要

本研究は、日本語及び日本語学習者の母語の発話におけるリズムの抽出・分析を行い、諸言語のリズムの音響的特徴を解明し、日本語のリズム習得を支援するプログラム開発を目的としている。そのため、北澤による発話速度抽出プログラムTEMAX法を応用して、発話のリズムを視覚化し、リズム習得用の教育用ツールを開発することを試みた。
英語、フランス語、スペイン語、韓国語、中国の諸言語、日本語の東京方言、関西方言、津軽方言などの発話分析を行い、言語別に特徴あるリズムを抽出した。Macintoshでしか機動しないTEMAXに代るものとして、Windowsでリズム抽出ができるよう新たなプログラムの開発も行ったが、リズム習得用教育ツールとしてはさらに工夫が必要な状況で、研究の継続が望まれる。
諸言語の発話分析の結果、日本語における子音+母音の持続時間の補償効果は中国語、韓国語に比べ明確であること、日本語のモーラ持続時間は、語頭で短く、語末で長いが、語中では等時性が保たれること、2音節単位での等時性は韓国語においても観察されること、英語、フランス語、アルゼンチンのスペイン語では1秒に2.5前後のリズム単位が抽出されることなどが明かになった。日本語ではやはりモーラリズムが根底にあり、異なるCV連続では2モーラ単位での等時性を保つ補償効果が生じ、また、文節単位では、ピッチ変化によるリズムも観察される。自然発話においては、縮約、音素の脱落が発話リズムに大きく影響を与えていることも明かにされた。
本研究の成果は3冊の報告書『言語のリズムとTEMAX』1,2,3、及び、TEMAX法によって抽出したリズムのTEMAXグラム等をまとめたCD-ROMとして、配布予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kitazawa,S. & Kobayashi,S.: "Paralinguistic features as suprasegmental acoustics observed in natural Japanese dialogue"ESCA, Eurospeech99, Budapest, Hungary. ISSN 1018-4074. 33-36 (1999)

  • [文献書誌] 北澤茂良、北村達也: "TEMAX法による対話音声の発話リズムの分析"日本音響学会講演論文集. 291-292 (1999)

  • [文献書誌] 北澤茂良、北村達也、川波弘道、他: "TEMAX法による対話音声の発話速度の分析"日本音響学会講演論文集. 289-290 (1999)

  • [文献書誌] 土岐 哲: "青森県深浦方言の音声・音韻-四世代の横断的内部観察資料から-"国文学研究. 第128集. 145-137 (1999)

  • [文献書誌] 土岐 哲: "日本語の能力とは-実際的運用の諸側面-"『日本語学』5月臨時増刊号. vol.18. 158-164 (1999)

  • [文献書誌] 鮎澤孝子: "中間言語研究-日本語学習者の音声"音声研究. vol.3No.3. 4-12 (1999)

  • [文献書誌] 鮎澤孝子 編著: "平成11年度研究成果報告書『言語のリズムとTEMAX 3』"東京外国語大学. 150 (2000)

  • [文献書誌] 鮎澤孝子 編著: "平成10年度研究成果報告書『言語のリズムとTEMAX 2』"東京外国語大学. 130 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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