研究分担者 |
西田 知博 大阪大学, 情報処理教育センター, 助手 (00283820)
安留 誠吾 大阪大学, 情報処理教育センター, 助手 (50252721)
齊藤 明紀 大阪大学, 情報処理教育センター, 講師 (20235021)
辻野 嘉宏 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20172009)
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研究概要 |
本年度は,これまでに学生の計算機演習室などの日常環境で取得していた大量のユーザの操作履歴を詳細に解析した.そして,その結果をもとに,日常環境のデータと比較するために,目標選択操作と打鍵レベルの操作に着目していくつかの統制実験を行い,以下のような結果を得た. ・ウィンドウなどの大きな目標を選択するという操作において,統制実験下のユーザは反復の影響でマウスを手首や前腕のみで操作する傾向があることがわかった.また,操作を早く終了させるために目標となるウィンドウの中心ではなく,最寄りのウィンドウの縁を意識した操作を行っているという傾向も見られた. ・打鍵間隔やマウス操作への移行などの打鍵レベルでのGUI操作においての操作時間の比較を行った結果,統制実験下では操作に集中しているため全般的にその操作時間が短くなることがわかった.また,個々の試行間での操作時間のばらつきや個人間の差も非常に小さいものであった. ・一般に日常の環境で得られたデータは,個人間のばらつきが大きく,その特徴を明確に解析するのは難しい.しかし,学生計算機演習室内で得た履歴から打鍵間隔の分散を調べると,そのばらつきは小さく,解析が容易な特徴を持つという結果が得られた.これより,このような種類の操作に関しては,統制実験によってデータを集めるよりも,日常の環境でデータを取得して解析する方が,よりよいユーザの行動理解を進める上で重要であると考えられる.
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