研究課題/領域番号 |
09480056
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
牛島 和夫 九州大学, 大学院システム情報科学研究科, 教授 (40037750)
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研究分担者 |
乃村 能成 九州大学, 大学院システム情報科学研究科, 助手 (70274496)
程 京徳 九州大学, 大学院システム情報科学研究科, 教授 (30217228)
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キーワード | 統合開発環境 / Ada95 / プログラム従属性 / ASIS / 並行型プログラム / 定義使用ネット / システム従属ネット |
研究概要 |
プログラムから、プログラム言語に依存しない本質的な概念--変数の使用・定義、制御の流れ、並行プログラムの同期や通信--を陽に現わす概念として、定義使用ネットを提案してきた。また、定義使用ネットから、プログラムの文間に存在する従属性を表現する概念として、システム従属ネットを提案し、それに基づいて、本研究は、並行型プログラムの統合的支援環境を構築することを目的としている。 Ada95はISO国際標準に認められた、最初の並行型オブジェクト指向言語である。このAda95についての従属性を考察した。また、Ada95プログラムのデッドロック検出法について提案し、ツールを実装した。さらに、実用規模のAda95プログラムから定義使用ネットを生成する技法を提案し、ツールを作成した。その際に、我々がこれまでに提案した並行型・逐次型のプログラムを統一的に表現する定義使用ネットを拡張した。 定義使用ネット生成ツールは、コンパイラ作成と同じ、文法解釈部分、意味解釈部分を持たねばならない。したがって、本来はコンパイラ自身の解釈している文法/意味情報に基づいて定義使用ネットを生成することが望ましい。Ada95では、文法/意味問い合わせインターフェイスASISをコンパイラに持たせることが提案されており、標準化されつつある。 我々は、ASIS規格に準拠したコンパイラからASISインターフェイスによって文法、意味情報を取り出すことによって定義使用ネット生成ツールを開発した。ASISはAdaに特化されたインターフェイスであるが、意味問い合わせ機能は多くの手続型言語に共通することが分かった。統合環境がサポートする他言語について、ASISと同等なインターフェイスの設計について考察した。 さらに、上記ツール群と、これまでに開発したツールとの統合を行った。拡張された定義使用ネットから並行型・逐次型のプログラム従属性を統一的に表現するシステム従属ネットを生成する手法を提案し、そのツールを実装した。
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