研究分担者 |
石原 亨 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 日本学術振興会特別研
冨山 宏之 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 日本学術振興会特別研
澤田 直 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (70235464)
岩井原 瑞穂 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (40253538)
村上 和彰 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (10200263)
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研究概要 |
本研究は,マイクロプロセッサシステムの低消費電力設計に関する論理設計レベル,アーキテクチャ設計レベル,コンパイラレベルを中心とした基本技術を確立することを目標としている.平成9年度は,理論的なモデルの構築と論理合成,アーキテクチャ設計,コンパイラ技術の要素技術の開発を中心に研究を進めた.具体的には,以下のような成果を得た. マイクロプロセッサアーキテクチャの低消費電力化に関する研究として,動的に電源電圧を変化させることができる新しい低消費電力プロセッサアーキテクチャPower Proと基礎となる理論体系を提案した.命令セットに電圧およびクロック周波数を制御する命令を導入して,性能要求に応じて時間的に消費電力を変化させる手法や必要なだけの精度を保証するデータパス幅のみに電力を供給する手法などを組み合わせ,コンパイラ技術との連携でソフトウェア作成者が電力消費を制御できる枠組みを構築した.プロトタイプのチップをVDECを利用して試作し,国際会議においてその成果を公表した. 低消費電力化のためのコンパイラ技術の研究として,チップ外の転送を小さくするためのキャッシュミス最小化手法や命令キャッシュへのチップ外転送にかかる電力を最小化する命令スケジューリングなどを提案した.成果は国際会議および論文誌にて公表した. メモリ/ロジック混載のシステムLSIのための新たな低消費電力化手法として,データパス幅が応用に応じて指定できる組み込みプロセッサとそのためのプログラミング言語Valen-Cを組み合わせた低消費電力化手法を提案した.さらに,DRAMのリフレッシュや構成に工夫した低消費電力化手法やトランスダクション法を利用した消費電力最適化の論理合成アルゴリズムも研究した.
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