研究分担者 |
宮田 高志 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (00283929)
松本 裕治 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10211575)
松井 理直 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 講師 (00273714)
橋田 浩一 電子技術総合研究所, 情報科学部, 部長
白井 英俊 中京大学, 情報科学部, 助教授 (10134462)
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研究概要 |
本研究では,文法記述の中に規則や変形のような操作的な概念を含まない,制約に基づく文法理論を前提にして,日本語の包括的な体系的記述ができるような文法の枠組を設計し,その上に具体的な日本語文法体系を開発するための基盤を築くことを目的としている.本年度は,前年度に引き続き、以下の研究をおこなった. 1.電子化コーパスからの語彙の抽出の自動化とそれに基づくタグ付け.「茶筅」による自動わかち書きを基にして,その文法規則,辞書記述を入れ替えることにより,コーパスの中に含まれる単語の一覧を自動的に抽出するシステムの改訂をおこなった. 2.文法作成支援環境の構築.素性構造編集機能をもったエディターを利用して,GUIの環境による素性構造を統合的な文法作成システムの中に組み入れて,前提とする文法システムの統語解析における問題点を洗い出した. 3.制約変換としての統語解析.音韻的,統語的,意味的な多種の情報の種類と,それらに対する具体的な作業に依存しない一般的な制約処理の手続きを用いる統語解析システムを考案し,タグ付けや対話システムの設計に役立たせた. 4.幼児の言語獲得過程の研究.幼児の動詞の獲得過程のデータを用い,形態的特徴,主語の選択,語順などのあらわれ方を分析した.また,幼児の発話データにタグ付けをおこない,獲得過程の分析に役立てた. 5.研究成果報告書の作成.最終年度にあたり,3年間の成果を論文集としてまとめた.関係各方面に配布する予定.
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