本研究においては、ターゲット言語として並列論理型言語を想定し、インタラクティブなビジュアルプログラミング環境の研究開発を行なった。 インタラクティブなビジュアルプログラミング環境とは、ユーザは従来のようなテキストを用いず、ユーザがワークステーションから直接に図形を入力することによってプログラミングを行なったり、それを図形的に実行・デバッグするプログラミング環境のことである。 本研究においては、PP(Pictorial Programming)と呼ぶ一連のビジュアルプログラミング環境の試作を行なった。viewPPは、グラフ描画アルゴリズムを用いてプログラム実行の視覚化を行なうシステムであり、グラフ描画アルゴリズムをアニメーション向きに改良している。 PP-padは、パッドベースシステムをもちいた単一統合ビジュアルプログラミング環境である.PP-padについては、とくに単一統合環境という点から完成度の充実を図っている。単一統合環境は、従来のようなマルチウインドウ環境ではなく、すべてを一枚のウィンドウに押し込めプログラムの編集と実行のフェーズを区別しない。 また、ビジュアルプログラミングのための要素技術として、ビジュアルパーサ生成系「恵比寿」の研究を行なった。 この他、3次元表示に着目し、3次元ビジュアルプログラミングシステム3D-PPを提案した。3D-PPは、従来2次元で行なってきたPPのインタラクティブな視覚化を、3次元上で行なうものであり、3D-PPでは、ゴールやアトムなどのプログラム要素を3次元図形で表現し、プログラム実行を3次元図形の変化としてとらえることができる。
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