本研究は、バーチャルリアリティや各種リアルタイムシミュレーションにおいて問題となる、複雑な仮想環境下における動画表示の対話応答性を、画質を劣化させることなく向上させるために、仮想世界モデルの構成法に関して様々な提案を行っている。 平成9年度は、次のような研究を実施した。 1.建物などの人工物だけでなく、樹木や草などの自然物のモデルに対して、その綿密な表現とその特徴に基づく形状の段階的簡略化の方法(たとえば、草では、1枚1枚の葉の精密な3次元表現から、遠くから見たときの草原に対するテクスチャ表現までの段階的簡略化)、および視点との距離による最適な表現の自動選択の手法の開発 2.人や動物などの生体モデルに対して、ポリコンによる精密な表現とその特徴に基づく形状の段階的簡略化の方法、および視点との距離による最適な表現の自動選択の手法の開発 3.衣服の3次元的デザインプロセスの開発とその詳細形状に基づく段階的簡略化の手法および簡略化形状を用いた動的シミュレーションの実現 これらの成果については、平成10年精密工学会春季大会において講演発表する予定になっている。
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