研究課題/領域番号 |
09480083
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河田 恵昭 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027295)
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研究分担者 |
田中 聡 京都大学, 防災研究所, 助手 (90273523)
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
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キーワード | 南海地震 / 東南海地震 / 津波 / 都市型津波災害 / 安政南海地震津波 / 危機管理 |
研究概要 |
まず、プレート境界型巨大災害として、東海および南海地震を想定し、任意の震源位置と地震マグニチュードによる地震動をGIS上で任意に設定できるソフト(ユードレスと呼ぶ)を開発した。そして、安政東海および南海地震が同時に発生した場合、東京都と新潟県を結ぶ線より以西の府県では、震度5弱となり、災害対策本部を開設する必要のあることや、静岡県、三重県、和歌山県および高知県の太平洋沿岸の特定の地域では、震度7となり、大きな地震被害、たとえば倒壊家屋の大量の発生や地滑りによる道路や鉄道の寸断が起こることが明らかになった。そして、これらの地域では2次災害として、津波が来襲することを指摘した。一方、震度6強から6弱の地域では、家屋倒壊や全壊は震度7の地域に比べて少なくなるものの、家屋が不完全に壊れるため、火災に対してはむしろ危険であって、広域延焼する危険性が大きいことを指摘した。津波氾濫については、まず豊後水道と紀伊水道を経由して津波が瀬戸内海に進入し、それらが地震発生後およそ3時間から3時間30分後に広島市と松山市を結ぶ線上て衝突して、沿岸各地で津波被害が発生することを見出した。さらに、三重県尾鷲市を対象として、市街地氾濫計算を実施し、1944年の東南海地震による氾濫実績図との比較検討から、祖度の大きさの基準を得ることが可能となった。この成果はCGによって可視化して、住民啓蒙用として実用に供するように加工した。そして、この成果を南海地震による大阪の市街地氾濫へ適用し、有限要素法によって種々の特性値を得ることが可能となった。さらに、地下街の氾濫特性から、地下鉄空間への地下街氾濫水の誘導は、浸水深の軽減にあまり効果がないことや、従来の火災を対象とした地下街防災と氾濫による水防災はトレードオフの関係にあり、その調整が今後の地下街防災対策できわめて重要であることを見出した。
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