研究課題/領域番号 |
09480087
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
犬竹 正明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90023738)
|
研究分担者 |
服部 邦彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90261578)
安藤 晃 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90182998)
|
キーワード | 電磁流体 / プラズマ流 / 自己組織化 / 渦 / MPDアークジェット / プローブアレイ |
研究概要 |
本研究の目的は、核融合や宇宙におけるプラズマ中の複雑な電磁流体現象、特に高密度高ベータプラズマ流中における渦の発生と巨視的安定性に関してその物理機構を実験的に明らかにすることである。東北大学HITOP装置を用いて高速プラズマ流を生成し、その中での渦構造の発生及び安定性にとって何が重要な要素かを明らかにするための実験的研究を行った。 本年度はまず、高密度プラズマ流源であるMPDアークジェット近傍に磁場コイルを増設し、種々の磁場形状におけるプラズマ流速とイオン温度、マッハ数の測定を行った。その結果、磁場形状が下流側で弱くなる磁気ノズル配位中をプラズマ流が通過することによりプラズマ流のマッハ数は増加し、イオンマッハ数が3以上の超音速プラズマ流が実現された。また同時にその加速機構や中性粒子による減速機構も実験的に明らかにでき、プラズマ流速やマッハ数の制御を行う手法を確立することができた。 このプラズマ流は軸方向に運動すると共に周方向に回転運動を行っている。この様子をMPD出口近傍でのプラズマからの発光を利用して、分光器によるプラズマ回転現象の測定や電子シャッター付高速度CCDカメラによるプラズマ回転現象のイメージング測定により観測し、外部磁場強度及び放電電流値によって回転現象が変化する様子を調べた。 一方で、MPDアークジェットを2台並列に設置し、同時に入射することで起こると期待されるプラズマ流同士の相互作用を実験的に観測した。一様磁場配位では顕著な現象は観測されなかったが、磁気ノズル配位に対して同時入射実験を行ったところ2つの回転プラズマ流が回転しながらねじれるような現象が観測された。今後多チャンネル静電ダブルプローブアレイおよび小型磁気プローブアレイにより詳細な観測実験を行い、プラズマ渦内部での密度変動、磁場変動を測定し、高速度プラズマ流中での電磁流体渦の安定性などの物理過程を詳細に実験的に明らかにする。
|