研究課題/領域番号 |
09480090
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 靖 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30214191)
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研究分担者 |
堀内 利得 核融合科学研究所, 理論シミュレーション研究センター, 助教授
常田 佐久 国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
桂井 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70011103)
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キーワード | 磁気リコネクション / プラズマ合体 / 異常抵抗 / 異常加熱 / 駆動型リコネクションモデル / 粒子加速 / スフェロマックプラズマ / トカマクプラズマ |
研究概要 |
本年度は、異常抵抗現象による磁気リコネクションの高速化の解明に大きな進展があった。まず、高温・低密度化(>200eV,<10^<19>m^<-3>)したトカマクプラズマ2個の軸対称合体を行って、1000程度の高磁気レイノルズ数の磁気リコネクションを実現した後、形成された電流シートの実効的な抵抗を、磁気計測および流速計測によって明らかにした。電流シート幅が外力によって圧縮されてイオンラ-マ半径を下回った時に、実効抵抗が1桁から2桁急増し、イオン温度も急増することが判明した。トカマクのトロイダル磁場を用いてXラインに平行な磁場成分を0から再結合磁場成分の10倍まで変化させてイオンラ-マ半径を変えても、外力を1桁程度かえて電流シート幅を変化させても、上記の結果に変化がないことが判明した。堀内らも同じ結論をマクロ粒子シミュレーションによって立証し、さらにイオンの非磁化(メアンダリング) 運動との関連を明らかにした。この異常抵抗が、外力の増加によるリコネクションの高速化(駆動型リコネクションモデル)とリコネクションの3成分磁場効果を引き起こしていることが結論された。現在、さらに太陽コロナの衛星観測との対応を検討中である。また、次年度以降に必要となる計測設備の拡充も進み、電流シートのイオン加熱機構の解明を目指して、2次元(36チャンネル)可視光トモグラフィーによるドップラー幅・シフト型イオン温度・流速の2次元微細計測システムを準備した。さらに、X点付近のイオン運動の磁化状態(ラ-マ運動)から非磁化状態への変化を捉えるため、不純物の注入によるイオン運動計測システムの開発にも着手できた。超高速度カメラにCCDイメージセンサー、狭帯域光学フィルター、光ファイバーを組み合わせて、空間分解能が0.5mm程度の炭素不純物の運動計測カメラシステムが完成し、今後の短パルスルビーレーザを用いた不純物のピンポイント入射実験の準備が整うに至っている。
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