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1999 年度 実績報告書

乾式系でのアクチニドの化学分離に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09480101
研究機関京都大学

研究代表者

山名 元  京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (30283683)

研究分担者 川本 圭造  京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70089134)
森山 裕丈  京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90127150)
キーワード乾式再処理 / 溶融塩 / 液体金属 / アクチニド元素 / ランタニド元素 / 熱力学諸量 / 水和物溶融体 / 溶媒抽出
研究概要

本研究では、原子力利用が可能な非湿式化学分離候補技術の中でもっとも実用に近いと期待される塩化物溶融塩と液体金属を用いた高温化学分離法での、アクチニドやランタニドの系統的な熱力学データの評価を実験的に行った。併せて、低温で溶融し水の含有量が少ない溶融塩である、水和物溶融体を無機溶媒として用いた溶媒抽出における、アクチニドとランタニドの挙動を実験的に調べた。
(1)塩化物溶融塩と液体金属を用いた高温化学分離に関する研究
LiC1-KC1の共晶塩と液体金属(ビスマスと亜鉛)の2相系における、アクチニドやランタニドの分配挙動を、放射化学的な手法を用いて調べた。アクチニドやランタニドの分配挙動を実測し、これらの元素が液体金属と合金形成する際の熱力学的な諸量との関係について考察し、これらのf-元素が液体金属と合金を生成する際の安定化の自由エネルギー変化についてランタニドおよびアクチニド系列に渡る系統性を詳細に調査した。ランタニドについては、起電力測定実験によって、f-元素が液体金属と合金を生成する際の安定化の自由エネルギー変化を実測した。その結果、液体金属中および溶融塩中での3価f-元素の、溶媒との相互作用による安定化の効果が、どのような系統性を持つかを明らかにすることが出来た。
(2)硝酸カルシウム水和物溶融体からのf-元素の溶媒抽出挙動の研究
水の含有量が大変低い低融点の溶融塩(水和物溶融体)を無機溶媒として用いた抽出系として、TBP_-Ca(NO_3)_2・4H_2O系に着目し、この抽出系における希土類の抽出特性を実験的に研究した。この結果、硝酸カルシウム水和物溶融体(Ca(NO_3)_2・xH_2O)中においては、3価f-元素イオンへの水和が不完全に行われており、水含有量の低下に伴う水和効果の減少が、これら元素のTBP抽出に大きな効果を与えることが分かった。また、このような水分量の低い水和硝酸カルシウム中においては、ランタニド元素のイオンの大きさに依存して異なる水和効果が働いてることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Yamana: "Systematics of the themodynamic properties of trivalent f-elements in a pyrometallurgical bi-phase extraction system"J. Nucl. Mater.. 278. 37-47 (2000)

  • [文献書誌] H.Yamana: "Distribution Equibrium of Lanthanides in the Liquid-Liquid extraction System of TBP and Molten Ca(NO3)2.4H2O"Radiochimica Acta. 84. 191-200 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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