研究課題/領域番号 |
09480103
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福田 研二 九州大学, 工学部, 教授 (90117234)
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研究分担者 |
藤本 登 九州大学, 工学部, 助手 (60274510)
饒 燕飛 九州大学, 工学部, 助教授 (10243891)
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キーワード | SBWR / 自然循環型原子炉 / 三次元気液二相流 / 安定性 / 受動安全 / ドリフトモデル |
研究概要 |
「受動安全」の原理を大幅に取り入れた、自然循環力で冷却材が循環するSBWRにおける流動安定性を調べるために既存の実験装置を用いて実験を行った。これは3本の加熱管を含む並列3流路+3次元チムニ-系(1+3次元体系)であるが、流路本数を種々変えて、単一流路系ならびに並列流路系における密度波不安定とガイゼリングの詳細、また並列流路系におけるそれらの振動モードについて多くの知見を得ることができた。 すなわち、ガイゼリングにおいては加熱部下端、上端いずれからも初期気泡の発生があり得るが、いずれの場合でも気泡それ自身の存在によって自己蒸発が加速されることが現象の進展の本質的要素になっているが、密度波不安定においては自然循環駆動力と流量、ボイド率変化のフィードバックが本質的であり、両者が共存することがむしろ普通であることを見出した。これらを新たに開発した時間領域解析コードを用いて解析し確認した。 さらに、SBWRチムニ-部解析のためにドリフトモデルを多次元二相流解析へ適用することを提唱し、その理論モデルを導出し二次元流動計算に適用した。従来、この種の解析には二流体モデルを用いることが普通であるが、両相をほぼ同じ速度を持つ二流体として取り扱うよりも、混合相とこれに相対的な両相の運動として取り扱う方がより簡便かつ正確な結果を得易いであろうという工学的判断に基づき本モデルを提案したのである。矩形二次元実験装置を製作し実験を行い、解析結果と比較し良好な一致をみた。 本年度はさらに、チムニ-部をより高くするため既存の実験装置を改造している。これは1+3次元体系において、3次元チムニ-部が自然循環流量に大きく影響を与え、これがSBWRの大きさ、すなわちその経済性や安全性に決定的役割を果たすためにチムニ-部高さをパラメータとする実験を必要とするためである。
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