研究課題/領域番号 |
09480119
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
佐竹 研一 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 総合研究官 (50101051)
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研究分担者 |
古田 直紀 中央大学, 理工学部, 教授 (90101055)
田中 敦 国立環境研究所, 化学環境部, 主任研究員 (80171734)
伊藤 裕康 国立環境研究所, 化学環境部, 主任研究員 (50223178)
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キーワード | 足尾 / 入皮 / ミズナラ / X線分析顕微鏡 |
研究概要 |
我が国では公害が著しく汚染の進んだ場所として足尾は著名である。この足尾の汚染は特に明治10年(1877年)以降顕著であったが、現在においてはすでにこの問題は過去のものとなっている。環境汚染のタイムカプセル樹木入皮に関する本研究では本年度より足尾・日光地域を一つのフィールドとして選び、その汚染史の解明に取り組むこととした。このためのサンプルとしては日光養殖研究所構内で枯死のため伐採された樹齢約350年のミズナラ及び河川工事のため伐採されることとなった樹齢約300年の樹木を対象とした。これらのミズナラには特に後者には樹木の成長過程で生じる樹幹の凹凸部分に過去約100年にわたる連続入皮の分布がみられたので、これを採取した。この試料の分析には新たに国立環境研究所に導入された元素の面分布の測定を行うことの出来るX線分析顕微鏡(X線透過機能付微小部蛍光X線分析装置)を用いることとし、この分析装置の性能のチェックを開始した。また樹皮については従来のICP-AESによる定量分析法も併用することとし、これまでの単位重量当りの濃度で示す方法だけでなく、新たに単位面積当りの汚染物質の沈着量を示すようなサンプリングを開始した。この他本年度は入皮のそれぞれ異なる四通りの形成過程を分類整理し、またそれぞれの入皮の特色を生かしたサンプリング方法を検討しサイアス誌に「大気汚染の歴史を樹木の入皮が記録」として発表した他、色彩色度計を導入し特に同一樹木の外樹皮の汚れを相対的に分類するモニタリング手法を開始した。
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