研究課題/領域番号 |
09480132
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
藤江 幸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30134836)
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研究分担者 |
後藤 尚弘 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (50303706)
胡 洪営 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30262976)
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キーワード | 陰イオン界面活性剤 / 工場排水分析 / イオン選択性電極 / 電位差滴定法 / 化学センサー / 水質分析 / メチレンブルー吸光光度法 / 水質簡易分析 |
研究概要 |
陰イオン界面活性剤の測定には、メチレンブルー吸光光度法がよく使われているが、この方法では、毒性のあるクロロホルムを大量に使用することに加えて、感度が十分とは言えず、自動モニタリングに利用できないなどの問題点もある。有機溶媒を必要としない、簡易連続モニタリングへの展開が可能な新しい分析技術の開発が求められている。本研究では、陰イオン界面活性剤選択性電極の開発と、この電極を用いた陰イオン界面活性剤の定量方法の確立を行い、この方法を各種産業排水、生活排水および河川水、湖水などの表流水の測定・モニタリングへの応用を目的としている。 平成9および10年度では、陰イオン界面活性剤選択性電極を試作するとともに、本電極を指示電極とした電位差滴定法を提案し、工場および生活排水中の陰イオン界面活性剤測定への適用が可能であることを示した。さらに、環境水中や飲料水中の低濃度陰イオン界面活性剤(<0.3ppm)の測定方法として、標準添加について検討を行い、0.3〜0.02ppm範囲での測定を可能にした。 本年度は環境水中の陰イオン界面活性剤の測定に対する共存物資の影響、濃度変化に対する電極応答速度、泡沫分離による低濃度陰イオン界面活性剤の濃縮などについて検討を行い、以下のことを明らかにした。 1)高濃度の塩素イオン、炭酸水素イオン、タンパク質、フミン質の共存は分析値に負の誤差をもたらすが、一般的な河川水の測定ではそれらの影響は無視できる。 2)標準添加法よりも定電位滴定法は共存物資の影響を受けにくい。 3)食塩の添加と最適通気量を選ぶことにより、低濃度陰イオン界面活性剤を20倍濃縮することが可能である。 4)濃縮と組み合せることにより、定電位滴定法および標準添加法の定量下限をそれぞれ0.3と0.001まで低減することが可能である。
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